フランツ・ヨーゼフ・ハイドンは1732331日にオーストリア、ニーダーエスターライヒ州ローラウに車大工さんの息子として生まれ、1809531日、ウィーンで当時としては長命な77年の生涯を閉じました。

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 ハイドンといえば、「交響曲の父」かつ「弦楽四重奏曲の父」でもありますが、では、どんな曲を書いたの?、その中ではどれが一番好きなの?ときかれますと、一瞬、返答に窮する作曲家かもしれません。

 そこで、ほんの例えばですが、彼の名曲を10曲、順不同であげてみましょう。

交響曲第104番『ロンドン』

交響曲第103番『太鼓連打』

交響曲第101番『時計』

交響曲第100番『軍隊』

交響曲第94番『驚愕』

交響曲第45番『告別』

弦楽四重奏曲第67番『ひばり』

弦楽四重奏曲第77番『皇帝』

オラトリオ『四季』『天地創造』 申し訳ございません、二つで一つとさせていただきます。

『神よ、皇帝フランツを守り給え Gott erhalte Franz den Kaise

 

 最後の曲は、神聖ローマ皇帝フランツ2世に捧げられたとされるもので、皇帝フランツ2世の29歳の誕生日1797212日にウィーンのブルク劇場で初演され、のちに皇帝賛歌として有名になり、「さかえにみちたる」と歌い出される賛美歌にもなりました。

18095月、ウィーンはナポレオン軍の侵攻を受け、病中のハイドンのおうちの近くにも砲弾が撃ち込まれ、召使いたちはうろたえて逃げ惑いました。

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  すると、ハイドンは「こわがることはない、ウィーンにハイドンある限り、やつらに手出しはさせない」とみんなを励まし、起き上がって毅然としてクラヴィーアに向かってこの曲を演奏し、ナポレオン軍に音楽をもって立ち向かったと言われています。亡くなる数日前のことです。

 弦楽四重奏曲第77番第2楽章はこの『皇帝賛歌』による変奏曲です。こちらからお聴きくださいませ。

(501) ハイドン: 弦楽四重奏曲第77番「皇帝」:第2楽章「神よ、皇帝フランツを守りたまえ」[ナクソス・クラシック・キュレーション #特別編:サッカーW杯] - YouTube
                                            2021年5月31日記