本夕、ミューザ川崎シンフォニーホールで開催されました、東京交響楽団特別演奏会を拝聴してまいりました。指揮者とソリスト、演奏曲目は下記の通りです。イギリス人指揮者ジョナサン・ノットさんは2014年度以来、このオーケストラの音楽監督ですが、このたびの感染症拡大の影響を受けて、なかなか日本の土を踏むことができない状況に陥られました。しかし、なんとしても東響の指揮台に立ちたいとの強い意思から関係各機関の協力を得て来日を実現させ、待期期間を全うされた上で、22日オペラシティ公演、及び、今夜のミューザ公演で盟友、東京交響楽団との血の通ったライヴ演奏会を実現なさいました。
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 マーラーの『巨人』のスケールの大きな演奏に鳴りやまぬ拍手。何度目かのカーテンコールのとき、手に、なにやら白いものをもってステージに引き返されたノットさん。まず、それを、オーケストラに向かって広げます。すると、オーケストラから声にならぬどよめきが。
 次いで、客席に向きなおられたノットさんが、その白いものを広げられますと、そこには
「I'm home!  ただいま!」の文字が。
 おお……、客席に感動が走り、 一人、また一人と、お客様が立ち上がりはじめ、最後はオール・スタンディング・オベーションに!
 東京交響楽団と、それが依って立つ国、日本、本拠を置く川﨑こそ、自分の故郷だ、やっと帰ってこられた、ただいま!! という彼の意思表示は、2作品の名演と相まって感動的でした。