本日は、エリザベート、エルザ、エヴァ、イゾルテなどのワーグナー・オペラのヒロインから、アラベラ、ツェルビネッタといったシュトラウス・オペラのヒロインまでを歌いあげた、ドイツ・オペラ史上屈指の大ソプラノの71回目のご命日でございます。
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 こちらは、1894年夏、バイロイト音楽祭における『タンホイザー』のエリザベートです。指揮は2カ月後に彼女の夫となるお方で、このときがバイロイト初登場でした。
 今日がご命日である事に気づいたのも、5月17日か18日発売予定の『モストリークラシック』5月発売号(7月号)に、夫の眼からみたこの方、という視点で彼女がどんな方であったか、ご夫婦仲はどうであったか、音楽的な絆はどんな形で発揮されたかなどを書かせていただいたばかりだからです。
 当世の言葉でいえば、「鬼嫁」と呼ばれてもおかしくない、気性の激しいお方でしたけれど、ご主人様はそれでご満足だったようで、さざ波!!はあっても基本的に円満なご夫婦関係はご主人様が1949年9月8日に85歳で亡くなられるまで続き、1歳年上だったこの奥様は、ご主人様を見送られたうえで、8カ月後の翌年の本日、ご主人様のところへいらしたわけですから、理想のカップルだったとわたくしは思っております。この大ソプラノさまの愛すべき鬼嫁ぶりの数々は、もうすぐ発売の『モストリークラシック』にて、とくとご高覧くださいませ。同号には、『夫マーラーの眼からみた妻アルマ』も執筆いたしております。
                                       2021年5月13日記