イスラエルのテルアヴィヴで4月29日から5月4日までに亘って開催されたルービンシュタイン国際ピアノコンクールに、日本の桑原志織さんが第2位入賞されたことを昨日お伝えいたしました。では、第1位は?
1st Prize: Juan PEREZ FLORISTAN
2nd Przie: Shiori KUWAHARA
3rd Prize: Cunmo YIN
というわけで、優勝なさったのは、1993年スペインのセルビア生まれ、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学他で学ばれた、フアン・ペレス・フロリスタンさんという方でした。
公式サイトに掲載されているこの写真はファイナルの演奏を終えた時のものだと思いますが、よくみると、実に衝撃的でございます。だって、ご本人はもちろんのこと、後方のオーケストラメンバーもどなたもマスクなどなさっておらず、特にディスタンスをとることもなく普通に席を占め、前方には客席聴衆のおつむもしっかり写っているのですもの。
そうなのです。今年、ロン=ティボーは開催断念、エリザベートは膨大な赤字覚悟で無観客、無料オンライン配信、というのに、ルービンシュタインのファイナルはマスクなし、有観客でおこなわれたのです。これが同じ地球の、同じ北半球の上のことでしょうか。と言いたくなりますが、ワクチン対策の進んだイスラエルでは、出場者も審査員もオーケストラも聴衆も、皆さま、きちんとワクチン接種を受けておられたので、有観客ファイナルが可能だったのでした。お国によって、事情は異なるにせよ、いやはや、おみごとな取り組みです。
ワクチンは、人々の健康を守るだけではなく、文化の灯も絶やさず守ることのできるのだという実例を、この写真にとくと拝見いたしました。
どうか、ワクチン本体ばかりではなく、その考え方、そして円滑な接種システムが、あまねく世界にゆきわたりますように。どこかの島国にも……。
2021年5月7日記

コメント
コメント一覧 (2)
芸術家や文化に関係されている方達は、みな人に喜びと明るさを届けるお仕事の方達ですから、否定的なことや批判的なことはなかなか口にされず、厳に自身に禁じられているところがあると思いますが、婉曲な表現の中にも怒りや叫びが伝わって参ります。
もしも国家が、あるいは都民でも国民でもいいのですが、芸術や文化、スポーツや教育を本当に大切なものだと感じているのだったら、真っ先に国費を投じてもワクチン開発を促進するか、ないしは徹底的なロックダウンを敢行すると思います。これがウイルスに対する“攻め”の姿勢。しかし、ゆるゆるの「緊急事態宣言」をいくら連呼したところで、それはほぼ言葉の上だけのことであり、“守り”に過ぎません。ディフェンスのみあってオフェンスのないサッカーみたいなもの。
私なら、去年の段階でワクチン開発を指示した後、同時にIOCとWHOにネゴシエイトして、来年の五輪を大義名分にワクチンを(最も悲惨な国は別として)早めに回してもらう要請書を取り付け、それを元に複数メーカーとビジネスの話をする。それが結果としては、「有観客」のコンサートの早めの再開にもつながるわけですし、東京五輪の“おもてなし”+“癒やし”にも繋がるわけです。
政治というならこれくらいやらないと「政治」ではないわけですが、今の状況では“ホスト国”として世界のアスリートを“おもてなし”する資格がない。
きっと、芸術、文化、スポーツ、教育に対する“愛”が足りなかったのだと思います。またおそらく、東京五輪1964の時には豊かにあった、「(普遍)世界」というものへの憧れや「人類」というものへと開かれた心が衰退したのだと思います。いくら年末に『第九』を歌ったところで、これではベートーヴェンに叱られる?
yukiko3916
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しました
おっしゃること、いちいちごもっともで、胸のつかえがおりますと同時に、あらためて、リーダー不在のわが国の現状が情けなくなってまいりました。
音楽物書きとして、文化に関わる者の端くれである身は、できますことなら、肯定的な明るい話題ばかり発信してまいりたいところではございますが、もうそれが許されない状況かと存じます。
とまれ、しっかりwatchingを続け、看過できないことには声をあげたく思っております。
yukiko3916
が
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