4月25日から5月11日までの緊急事態宣言発出地域は、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県ということで、東京のほとんどの演奏会場は閉ざされましたが、新宿から小田急線で多摩川を越えた新百合ヶ丘にあるテアトロ・ジーリオ・ショウワはこれに該当せず、4月24日、25日両日の日本オペラ振興会公演『魅惑の美女はデスゴッテス&ジャンニ・スキッキ』は2公演とも、無事に開催されました。わたくしは、24日に拝見したので大丈夫でしたが、もしかしたら、25日の方はご覧になれないのかしら、と心配したところ、神奈川県ゆえに「宣言」傘下をはずれたため、何事もなく公演できたそうです。
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 池辺晋一郎先生若き日の『魅惑の美女はデスゴッテス』は、旧名『死神』。落語の同名名作から、今村昌平さんが翻案なさったもので、オペラというより大衆演劇的要素の強い作品ですが、音楽に変奏曲の手法を用いるなど、池辺先生のお手並みはさすがでした。プッチーニ『ジャンニ・スキッキ』は、いつ、どのようなプロダクションで拝見してもやはり名作だとつくづく思いました。音楽があまりにも美しく、場面にあまりにもぴたりと適っているのです。今回は、岩田達宗さんの気のきいた演出でしたから、プロダクション全体が結構でした。
 そうそう、日本オペラ振興会では、コロナ騒動が始まってからのすべての公演は、フェイスシールド着用、アクリル板も用いて行っていたのですが、今回は他の対策をを講じることにより、不自然で意味の薄いらしい、フェイスシールドをおやめになりました。

 ともあれ、中止にも延期にもならず、本当によかったと思いますが、一方で、この期間中に満を持した演奏会を計画なさっていた多くの演奏団体、演奏家の方々の悲鳴が連日飛び込んできております。
 あまりにもお気の毒すぎます。会場閉鎖、公演中止が、本当に感染症激減に威力を発揮するのなら致し方ないかも知れませんが、何かもっと、根本のところで、やるべきことがなされていないように感じられてしまいます。オーケストラや演奏家泣かせの日々が早く去りますよう、祈らずにはいられません。
                                 2021年4月26日記