昨夕東京文化会館で披露されたムーティ指揮、ヴェルディ《マクベス》演奏会形式は圧巻でした。勝因の第一はムーティの指揮を含めた総合プロデュース力、第二はマクベス夫人のアナスタシア・バルトリの類まれな声とテクニック、容姿と仕草の美しさ、第三は合唱の精緻な表現力。

勝因を続けてあげれば、第四はマクベスのルカ・ミケレッティの、野心家と小心者の二面性の表出力、第五はムーティの意図にぴたりと沿った東京春祭オーケストラの驚くべきレベルの高さ、第六はバンコのリッカルド・ザネッラートの男性的なキャラクターと潔さのある声、第七はマルコムの城宏憲さんの素直で伸びのよい声、第八は侍女の北原瑠美さんの控えめな声と身振り、といったところでしょうか。
これはすべて、ムーティの「イタリア・オペラ・アカデミー in 東京」vol.2の成果です。彼は今回の東京春祭への来演に際し、一昨年のvol.1での《リゴレット》に続いて《マクベス》を携えておいでになり、オーケストラ、歌手、合唱、指揮勉強中の若手4名を徹底的に鍛え上げ、ムーティのムーティによるすべての音楽ファンのための《マクベス》を打ち立てられました。
今夜はミューザ川崎でムーティの指導を受けた若手指揮者4名が分担指揮し、歌手陣をすべて日本人とした、抄演がおこなわれます。
2021年4月20日記
コメント