本夕は東京東京春音楽祭公演の一環として上演されるムーティ指揮、ヴェルティ《マクベス》演奏会形式上演を東京文化会館大ホールで拝聴いたします。マエストロ・ムーティの来日実現は関係者の多大な努力の成果であることはご承知の通りで、特別な防疫措置を前提とした3日間の隔離を認められて、4月2日に入国、その後若手指揮者対象の指揮のマスタークラスをオンラインでなさってこられました。
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 このマエストロが余人をもって代えがたい歴史的名匠であるがゆえの特別措置、のようで、さすが大指揮者は違ったもの、と感嘆しておりますと、今度はウィーンフィル・メンバー全員が、新型コロナ・ワクチンの優先接種を済ませたというニュースが『ウィーナー・ツァイトング』に載りました。
 オーストリアでのワクチン接種の普及率、浸透率は詳しく存じませんが、他の市民や同業音楽家たちに優先するする措置であったことは確かで、その優遇の理由は、同フィルは国外での契約が多々あり、それらをキャンセルするとなると、莫大な違約金をウィーン市、またはオーストリア政府が被りかねないから、ということのようです。
 これに対して、『IG Freie Theaterarbeit』は、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団メンバーのみが優先接種していただけることを、他のすべてのアーティストの「お顔を平手打ちするもの」と批判しました。同紙は「少なくとも、演奏分野でのリハーサルで感染する危険性があるために、ワクチン接種の即時開始は、これを望むすべてのアーティストのためになされるべき」としています。これを受けて、ウィーン市は「人々と芸術を大切にして、いくつかの他の文化団体などに対しても優先接種の考え方を広げていく」という趣旨の声明を出しました。
 いろいろと考えさせられます。
                                        2021年4月19日記