4月9日、東京芸術劇場を会場として「東京21世紀管弦楽団」の第3回定期演奏会が開催されました。まだ若いオーケストラですが、ドイツで長らくキャリアを築いてこられた、浮ケ谷孝夫マエストロを中心として、各セクションの名手が顔をそろえた、期待の団体です。この日は、ウェーバ―『オベロン』序曲、ハイドン『チェロ協奏曲第1番ハ長調』が前半に、ブルックナー『交響曲第4番ロマンティック』が後半に演奏されました。
 ハイドンのチェロ協奏曲のソロを弾かれた、上村文乃さんは、ハンブルクとバーゼル留学を終えて昨年春から日本に軸足を移された大器です。わたくしは彼女がまだ桐朋の高校生のときに出会って、そのスケールの大きな音楽に打たれ、ことあるごとに聴かせていただいてまいりました。この夜はマネージャー様のアテンドにより、楽屋にお邪魔いたしました。これがそのツーショットです。
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 今回のハイドンも古典派の枠組みを尊重し、その中できちんと誠実に演奏されながら、時折、ここぞと踏み込む一面もあって、チェロ協奏曲の萌芽期の頼もしさを感じさせる演奏でした。ことによかったのは、文乃さんオリジナルの原曲を大切にしつつ、きらりと光るヴィルトゥオジティーを織り込んだカデンツァでした。これのおかげで、曲がとても映えました。
 後半のブルックナー4番は、浮ケ谷マエストロのアイディアが光彩を放っていました。それは、ヴィオラをソロで用いたところです。そのヴィオラは、都響で活躍された名手、中山良夫さんだったのです。このことは機会があれば詳しく書きますが、とりあえず、とても嬉しく拝聴しました。
                                     2021年4月10日記