昨日の記事に書きましたように、夕べはサントリーホール、読売日本交響楽第638回名曲シリーズに出掛け、同団の常任指揮者セバスティアン・ヴァイグレさんの棒で、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番とチャイコフスキーの交響曲第4番を聴いてまいりました。コンサート・マスターは長原幸太さん、弦は通常配置14型です。
2曲とも、マエストロ・ヴァイグレと読響の覇気と集中力がひしひしと伝わる熱い演奏でしたが、とりわけ、引き込まれたのは、藤田真央君のソロによるラフマニノフの協奏曲第3番ニ短調でした。
ロシアの厳しい風土を思わせる、重量感のある音で始まり、その音が憂いを秘めながら次第に能弁に語り始めて、展開部で圧倒的なクライマックスを築きます。そして、泣く子も黙る、大カデンツァのお見事なこと!
哀愁を含んだ間奏曲の第2楽章でエネルギーを蓄えたあと、そのエネルギーが大輪の花となってフィナーレに開花するありさまたるや、まるで、神が真央君に舞い降りたか、あるいは、ラフマニノフその人が真央君に憑依したかのようで、この曲がこんな風に、人間界を超えた一つの意志によって突き動かされ演奏される場面に、初めて遭遇したような気がいたしました。
真央君が先日、高関健指揮群馬交響楽団とのサン=サーンスの2番を快心で弾けた、と語ってくれたのは、こういうことだったのだと、曲こそ異なれ、目の当たりに実感させていただきました。
藤田真央君は1998年東京生まれ。2019年のチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門で第2位に輝かれ、世界各国のオーケストラと協演を重ねておられる大器です。
わたくしは、チャイコフスキー・コンクール直後にNAXOSから発売された、ショパンの即興曲全曲とスケルツォ全曲に演奏会用アレグロを取り合わせたアルバム(上の写真)のライナー・ノートを書かせていただいておりまして、コロナ禍直前の2020年2月には、フランス西部のナントの音楽祭でもご一緒させていただきましたが、類まれに天真爛漫な、接する者だれをもハッピーな気分にさせる、愛すべきcharacterをお持ちであるのに感嘆しております。
そういうピアニストゆえに、神が舞い降りるのかも知れません。
2021年1月15日記
2曲とも、マエストロ・ヴァイグレと読響の覇気と集中力がひしひしと伝わる熱い演奏でしたが、とりわけ、引き込まれたのは、藤田真央君のソロによるラフマニノフの協奏曲第3番ニ短調でした。

哀愁を含んだ間奏曲の第2楽章でエネルギーを蓄えたあと、そのエネルギーが大輪の花となってフィナーレに開花するありさまたるや、まるで、神が真央君に舞い降りたか、あるいは、ラフマニノフその人が真央君に憑依したかのようで、この曲がこんな風に、人間界を超えた一つの意志によって突き動かされ演奏される場面に、初めて遭遇したような気がいたしました。
真央君が先日、高関健指揮群馬交響楽団とのサン=サーンスの2番を快心で弾けた、と語ってくれたのは、こういうことだったのだと、曲こそ異なれ、目の当たりに実感させていただきました。
藤田真央君は1998年東京生まれ。2019年のチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門で第2位に輝かれ、世界各国のオーケストラと協演を重ねておられる大器です。
わたくしは、チャイコフスキー・コンクール直後にNAXOSから発売された、ショパンの即興曲全曲とスケルツォ全曲に演奏会用アレグロを取り合わせたアルバム(上の写真)のライナー・ノートを書かせていただいておりまして、コロナ禍直前の2020年2月には、フランス西部のナントの音楽祭でもご一緒させていただきましたが、類まれに天真爛漫な、接する者だれをもハッピーな気分にさせる、愛すべきcharacterをお持ちであるのに感嘆しております。
そういうピアニストゆえに、神が舞い降りるのかも知れません。
2021年1月15日記

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