10日に日本フィル、ライヴ再開公演を拝聴したのに続き、12日は同じサントリーホールへ東京都交響楽団の同じくライヴ再開公演《都響スペシャル2020》を聴きに行ってまいりました。楽屋訪問はもちろんご遠慮しなければなりませんでしたが、幸い、終演後にホール前で矢部達哉ソロ・コンマスとお会いでき、飛び切りの名演への感謝をお伝えすることができました。こちらが矢部さんとのツー・ショット。矢部さんがマスクを外してくださったので、わたくしも外させていただきました。

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さて、指揮はもちろん、大野和士音楽監督です。この間、オンライン配信でいくつかの無観客コンサートも聴かせていただき、熱いメッセージもうかがってきました。この日はステージからのご挨拶は敢えてなさらず、代わりに、ライヴとしてコンサートを再開できたことに関してのメッセージをプログラムに載せておいでですので、それを掲載させていただきます。

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コンサートはコープランド《市民のためのファンファーレ》から始まりました。下手から、ホルン4、タムタム、大太鼓、ティンパニ、トランペット4、トロンボーン3、テューバがずらりと並んだところへ大野監督登場。指揮台の前には透明アクリル板が設置されていますが、そんなものはものとしない毅然とした暗譜指揮。コロナ禍を吹き飛ばす豪壮な、タムタム、大太鼓、ティンパニの打楽器序奏から始まり、都響の金管の精鋭たちの繰り広げる惚れ惚れするようなファンファーレが導かれます。これを聴けばどんなウイルスも逃げていくでしょう。

次いでベートーヴェンの1番。作曲家が29歳で初演したこの最初の交響曲は、冒頭からして調をのらりくらりとする意匠に満ちた開始、緩徐楽章なのに躍動的な第2楽章、メヌエットとは名ばかりの事実上のスケルツォである第3楽章、エキサイティングなフイナーレと、もうすでにどこをとってもベートーヴェン・カラー満載。ベートーヴェンのその覇気と野心をこれほどみなぎらせた演奏もめずらしいほど、はじけるような名演でした。

オーケストラは数名の管楽器を残して退場。ここに数名の管楽器が加わり、大野監督が登場して、もう1曲のファンファーレが始まります。今度はデュカスの舞踏詩《ラ・ペリ》からのファンファーレです。このモダンで清冽なファンファーレは金管のみで演奏されました。

 締めは、プロコフィエフの第1番《古典交響曲》。ペテルブルク音楽院時代にはいろいろと新しい試みを実践していた彼が、同音楽院卒業3年後の1917年ロシア革命の年に、一転して「ハイドンが今生きていたら」という想定の下、とはいえ、そこにプロコフィエフの独自性もたっぷり織り込んで書いた、愛らしくみずみずしい交響曲です。

ベートーヴェンの1番もプロコフィエフの1番も、巨匠たちの若さ溢れる出発作。それに、2つの趣きの異なるファンファーレを添えて都響の新出発を宣言した大野監督とメンバーの皆様、極上の演奏を堪能させていただきました。ありがとうございました。

 新出発、おめでとうございます!!
                                                                                                                                          2020年7月13日記