本日1月16日の夕べ、サントリーホールで開催された日本フィルハーモニー交響楽団 第777回東京定期演奏会をお聴きしてまいりました。指揮は同フィル芸術顧問の広上淳一マエストロ。プログラムは、前半後半各1曲の2本勝負です。  
 前半は、2017年にドイツ・グラモフォンと専属契約を結んだパリ生まれの女性チェリスト、カミーユ・トマさんをソリストに迎えた、ファジル・サイの『チェロと管弦楽のための協奏曲』。
 ファジル・サイと言えば、トルコ出身の卓越したリズム感と、エスニックにして無国籍風でもある摩訶不思議な音楽性を兼ね備えた、稀有な音楽性を持つピアニストにして作曲家です。
 この曲は、2017年、ファジル・サイさんがトマさんの独奏を前提として書いた、オリジナル性豊かな1曲で、今の戦争をいとわない力づく軍事政治の横行する世界情勢への抵抗曲、というべき「Never Give Up」op.73です。
 スネアドラムによる、鋭い銃撃模倣も含む迫真の表現性を伴う機欲ですが、第3楽章では、それでも我々は平和への希求をあきらめない、との強いメッセージが発信されました。
 後半は、ショスタコーヴィチ最後の交響曲、第15番でした。
 まもなく世を去らねばならないことを悟っていたショスタコーヴィチが、敢えて、パロディも盛り込む一方、それらを通じて何かを言い遺そうとし、謎めいた静かな終結部を迎えるこの曲を、広上さんは全身を使って表情豊かに振られました。
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 最後に、今日が卒業となる二人のメンバーの40数年の功をたたえ、あたたかく送り出されました。
                              2026年1月16日記