1985年の第11回ショパン国際ピアノコンクールに優勝して、世界的なブーニン・シンドロームを巻き起こしたスタニスラフ・ブーニンさん。その後、波瀾のキャリアを辿られました中でも、2013年に左足首を痛められて、一時は足首切断の危機に瀕しながらも、大胆な手術と懸命なリハビリによってカムバックを遂げられましたことは、まさに奇跡とお呼びしてよろしいでしょう。
 その足取りが、このたび、ドキュメンタリー映画に撮影されて、2月20日から全国で公開されるそうです。制作会社からご依頼を受け、映画パンフレットにブーニンさんの有為転変の半生を執筆いたしました。書きながら、85年のショパンコンクールの第2次予選の
ワルツ4番(猫のワルツ)、第3次予選のソナタ3番、本選のコンチェルト1番、の伝説的名演を何度も鑑賞して、当時のブーニンさんの力量が傑出していたことと、輝かしいオーラを放っておられたことに身震いいたしました。
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 この写真はコンクールの翌年に日本で発売された特別本の表紙です。
 今は、穏やかな境地でリリックなレパートリーをメインとなさっておられますが、ここまで回復されただけでも、どんなにか、お辛い、茨の道を乗り越えられたことかと、頭が下がります。
 想像を絶する、苛酷な手術でいらしたと伺い、背筋が凍ります。その淵から復帰なされたのも、もう一度ピアノが弾きたい、という強い思いと、奥様の献身に支えられてのことだったのでしょう。
 ブーニンさん、ご復帰、おめでとうございます。
                             2026年1月11日記