前々から気にかかっておりました大ヒット映画『国宝』を、本日、ついに鑑賞してまいりました。百聞は一見に如かず、とはこのこと、聞きしに勝る名画でした。歌舞伎界を舞台に、名門の御曹司とその名門の部屋子という、同い年の少年が切磋琢磨し合い、嫉妬やライバル意識、激しい葛藤を抱えながらも、美少年の女形コンビとして二人道成寺で売り出す話で、二人主役は、吉沢亮さんと横浜流星さん、というところまでは仄聞しておりましたが、それ以上のことは何も知らないまま観て、驚くことの連続でした。
 むしろ、二人道成寺で成功するところまでは、ほんの序章、プロローグに過ぎず、その後の二人の人生の有為転変、光と影の交代のほうが本編で、それがあまりにもドラマティックなのに目を瞠りました。 
 もう一つ、驚いたのは、部屋子の少年のほうは、歌舞伎界の家の出ではないというので、一般家庭の息子かと思っておりましたら、なんと、長崎の名門任侠のおうちの息子だったことです。
 任侠の親分さんが自宅で開いた宴席の余興に、日本舞踊好きの息子が桜の精に扮した歌舞伎舞踊『関の扉』の一幕を披露しているところから、映画は始まります。惚れ惚れするような美少年(子役さん)のあでやかな舞姿に、客の歌舞伎俳優(渡辺健さん)が感心して見入っています。
「達者な芸妓ですな」
「いえ、あれは、芸妓やあらしまへん。うちとこの息子ですわ」
 驚く歌舞伎俳優。
 座は盛り上がり、余興は大成功。楽屋に引き上げた少年が衣裳を脱ぎ捨てて、ドーランを落していると、にわかに宴席が騒がしくなり、激しい怒号、什器の割れる音、建具やら壁の壊れる音。慌てて座敷へ駆けつけようとする少年を必死で押さえ込み、からだで庇ったのは歌舞伎俳優でした。
「出ていったら死ぬぞ」
 対立する組の襲撃だったのです。この襲撃により、少年の父親は凄絶きわまりない最期を遂げ、少年は歌舞伎俳優の家にひきとられることになります。
 やくざの出入りの場面から始まったので、それもリアリティにあふれた迫真の場面だったので、これは歌舞伎の話ではなかったのか、映画館を間違えたのか、とびっくりいたしましたが、その後のストーリー展開も波瀾万丈でありながら整合性に優れたもので、ひきつけられっぱなしでした。
 他にも、二人の主役の日本舞踊修行の成果のみごとさ、歌舞伎の衣装技術の最たる技、引き抜きの惜しみない映写など、多くの感心したことがあり、これは鑑賞して本当によかったと大満足でした。
IMG20260105203206_20260105203650

 入り口で、「感謝 大ヒット御礼入場者プレゼント」と記された、小さなポチ袋(左)をいただきました。
 中身は、主役、吉沢さんの手のひらサイズ・ブロマイド(右)でした。
 この方の美貌と演技力もおおいに見直しました。
                                  2026年1月5日記