1996年フィンランド生まれのクラウス・マケラは、2021年からパリ管弦楽団の音楽監督となり、202210月に同管と来日して、ドビュツシー『海』、ラヴェルのピアノ協奏曲や「ボレロ」、ストラヴィンスキー『春の祭典』、『火の鳥』等に刺激的な演奏を聴かせました。そのマケラとパリ管が28か月ぶりに来日しました。

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619日、サントリーホールてお聴きしたのは、前半がサン=サーンスの交響曲第3番『オルガンつき』、後半がベルリオーズ『幻想交響曲』という、フランスのオーケストラ・レパートリーの王道中の王道プログラムでした。

前回も、就任1年というのに早くもオーケストラのポテンシャルをしっかり引き出しておられましたが、今回はぐんとオーケストラ・ドライヴのレベルがアップし、音量もさらに豊かになり、ニュアンスの奥ひだも増していました。

サン=サーンスの『オルガン付き』のオルガン独奏者は、フランスから同行されたらしい女性オルガニストで、この方がマケラの指示のもと、音量を最弱奏から堂々たる最強音にまでコントロールされる様は、実に聴きものでした。

『幻想交響曲』では、管楽器の各ソロがおみごとなのと、弦のユニゾンのすさまじさに圧倒されました。こんなにも、オーケストラというものは鳴るのか、と、唖然とする思いでした。

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