ニコロ・パガニーニ、と言えば、ヴァイオリン音楽史上不世出のヴァイオリニスト、というよりも、ほとんど神格化された存在です。彼の生地、イタリアのジェノヴァでは、パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールが長らく開催されていて、今年の10月14日から26日まで、その第58回が開かれます。それに先立ち、ジェノバ、広州、ソウル、ニューヨーク、ベルリンの5都市で4月から5月にかけてライブ予備選考が実施された結果、24名の若き逸材たちが、10月の本審査への出場権を獲得なさいました。

予備選考を潜り抜けた方は15名、それに加えて、既定の国際ヴァイオリン・コンクールで上位入賞された方たち9名の、合わせて24名ということです。女性13人、男性11人で、日本国籍は4名。ほかに、イタリアと日本の二つの国籍の方が1名です。うちお一人、吉本梨乃さんは過去のコンクール実績による本審査からの参加です。
10月が楽しみです。
■パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクール 本審査 出場者
アブザフラ・マリアム – ハンガリー
/ エジプト / ドイツ
ALEXANDER
CALVIN – アメリカ合衆国
CHUNG
WONBEEN – 韓国
ドラガン・サラ– ポーランド
FAN
HIU SING – 香港
KOZAWA
KAORI – 日本
HIRAI
NMIU – 日本
ホウ・イーヤン – 中国
JIN
YEYEONG JENNY– 韓国
EMI
KAKIUCHI – 日本
KARLS
LORENZ – オーストリア
KIM
HYUN SEO – 韓国
KO
SOHYUN – 韓国
李金竹– 中国
MA TIANYOU
– 中国
MAZZON
ULISSE – イタリア
MKRTICHIAN
SERGEI – ロシア
ミレンコヴィッチ・テオフィル – イタリア / セルビア
NAYA
JAIME – スペイン
SERINO
YUKI – イタリア / 日本
シム・ジェイク・ドンヨン– 韓国
吉本
梨乃 – 日本
ZHANG
AOZHE – 中国
ZOU MENG – シンガポール
日本国籍出場者のうち、只一人、コンクール実績により予備選考を免除された吉本梨乃さんは兵庫県神戸生まれ。3歳でヴァイオリンを始め、現在ウィーン国立音楽大学でミヒャエル・フリッシェンシュラガーに、エリザベート王妃音楽大学でオーギュスタン・デュメイに師事されました。2018年第16回パドヴァ国際音楽コンクール(イタリア)では最年少で弦楽器部門優勝及び全部門のグランプリを獲得、2020年第3回上海アイザックスターン国際ヴァイオリン・コンクールファイナリスト。2022年第10回フリッツ・クライスラー国際コンクール第2位。こうした過去実績により、本審査からの参加です。
吉本さんは、2022年から、日本音楽財団よりストラディヴァリウス1736年製「ムンツ」を貸与されています。
2025年6月16日記
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