本日10:30~約1時間、雑誌『ハルメク』さん企画によるウィーン少年合唱団コンサート鑑賞のための事前レクチャー、第3回に登壇させていただき、前の2回とは少し観点を変えた内容でお話をしてまいりました。お集りの皆様、本当に高い知的好奇心をお持ちで、これから聴く「天使の歌声」に大きな期待をお持ちであるようすがひしひしと、伝わってまいります。
 そこで、いささかなりとも、鑑賞のご参考になればと、ウィーン少年合唱団の歴史と現在、有名な過去の団員、近年の日本人メンバー、演奏曲目などについてお話いたしました。
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 最もご関心を持っていただけたのは、この合唱団が、ハイドン組、モーツァルト組、シューベルト組、ブルックナー組の4組からなり、一つの組は毎年11~12週間の世界ツアーにでて、残りの3組は手分けしてウイーンや周辺のチャペルや礼拝堂で祝日ごとに歌っていること、世界ツアーでは膨大なコンサートを開いて莫大な収益を上げますが、少年たちにギャラは一切支払われない代わりに、彼らは全寮制の寄宿学校で快適に暮らし、専門的な音楽レッスンだけではなく高度な一般教育も受けられること、彼らのコンサート収益が、合唱団の大切な財源になっていること、全員が将来、歌手になれるわけではないこと、そのために、器楽のレッスンも重視され、一般教育も怠りなくおこなわれていること、などの話でした。
 拙い話を聴いていただき、みなさま、ありがとうございました。
                                  2025年6月10日記