昨日6月5日から、第9回仙台国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門ファイナル取材のために、仙台へまいっております。今回のヴァイオリン部門の出場者は41名。その中から12名がセミ・ファイナルに進出しました。12名のうち、日本人としては、桐朋女子高(共学)3年生の的場桃さんがおられたのですが、残念ながらファイナル進出ならず、6名のファイナリストは、中国4名、韓国2名という結果でした。
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 ファイナルの課題曲は、モーツァルトの5曲から任意の1曲、指定のメジャー・コンチェルトから任意の1曲です。その2曲を別のステージで弾きますので、ファイナルは全部で12ステージが4ステージずつ3日間にわたって繰り広げられることになります。

 昨日の1日目は、次の方々でした。
レイ・ハイルイさん  中国 男性   モーツァルト第1番変ロ長調
リ・ジンシュさん   中国 女性   モーツァルト第4番ニ長調
ジャン・アオジュさん 中国 男性   チャイコフスキー
パク・ソヒョンさん  韓国 男性   ストラヴィンスキー

 モーツァルト第4番ニ長調を弾かれたリ・ジンシュさんは、すべての動き、間合い、音の発し方が自然で無理がなく、音楽が心情発露にぴたりと一致していました。
 ストラヴィンスキーのコンチェルトは、独特のリズム処理と緻密なハーモニーの作り方が要求される難曲ですが、パク・ソヒョンさんは体ごとリズムに入り切って、心と技の一体となった表現をなさいました。技術的にはこのパクさんが最も高いものをお持ちとお見受けしました。
 ただし、モーツァルトをお聴きしてみないことには何とも申せません。そこが、このコンクールの恐ろしいところでしょう。パクさんのモーツァルトは8日で、第5番「トルコ風」を弾かれます。
 リ・ジンシュさんのメジャー・コンチェルトはシベリウス。今夜の最終出場です。
                                  2025年6月6日記