昨晩(6月4日)、サントリーホールで、ミハイル・プレトニョフさんのリサイタルをお聴きいたしました。昨年12月の段階で発表されていたプログラムはオール・ベートーヴェンで、ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」、ピアノ・ソナタ第14番「月光」、ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」、ピアノ・ソナタ第32番と言う、各時期の代表ソナタ4作、でしたが、今年の2月に、プログラムの変更が発表されました。
<変更後のプログラム>
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ
◆第8番 ハ短調「悲愴」 Op.13
◆第14番 嬰ハ短調「月光」 Op.27-2
* * *
グリーグ:抒情小品集より
◆「祖国の歌」 Op.12-8
◆「子守歌」 Op.38-1
◆「蝶々」 Op.43-1
◆「エレジー」 Op.38-6
◆「メロディー」Op.38-3
◆「小鳥」 Op.43-4
◆「小川」 Op.62-4
◆「郷愁」 Op.57-6
◆「即興的ワルツ」 Op.47-1
◆「おばあさんのメヌエット」 Op.68-2
◆「過ぎ去った日々」 Op.57-1
◆「夏の夕べ」 Op.71-2
◆「スケルツォ」 Op.54-5
◆「孤独なさすらい人」 Op.43-2
◆「ノクターン」 Op.54-4
◆「小妖精」 Op.71-3
実際にお聴きしてみて、プレトニョフさんのベートーヴェンはこの方ならでは神領域といってよいものでしたので、2曲で充分と感じました。
極度に照明の落とされた客席に響くプレトニョフさんのベートーヴェンは、エネルギーの発露を抑えに抑え、『月光』のフィナーレでさえも技巧は絶対に見せつけず、テンポは悠々と遅く、フレーズとフレーズが寸断ぎりぎりの繋がれ方をなされ、強弱もかなり自由な考え方が反映されているのです。プレトニョフさんがお弾きになられるから、さまになるので、他の方がこのように弾いたら疑問視されかねません。
この解釈が4曲続くよりは、後半グリーグの描写的小品で光が差すように気分を変えてくださったことは、かえってよかったのではなかろうか、と思ったのです。
禁欲的、神がかり的なベートーヴェンと、みずみずしい北欧浪漫に満ちた小鳥や小川の模倣、土の香りの民族舞曲、伝説の妖精の跳梁等々のグリーグ、まるで異なる2つの世界を味わうことができました。
アンコールは下記の曲でした。
グリーグ:「民俗生活の情景-ピアノのためのユモレスク」よりOp.19-3『謝肉祭より』
2025年6月5日記
<変更後のプログラム>
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ
◆第8番 ハ短調「悲愴」 Op.13
◆第14番 嬰ハ短調「月光」 Op.27-2
* * *
グリーグ:抒情小品集より
◆「祖国の歌」 Op.12-8
◆「子守歌」 Op.38-1
◆「蝶々」 Op.43-1
◆「エレジー」 Op.38-6
◆「メロディー」Op.38-3
◆「小鳥」 Op.43-4
◆「小川」 Op.62-4
◆「郷愁」 Op.57-6
◆「即興的ワルツ」 Op.47-1
◆「おばあさんのメヌエット」 Op.68-2
◆「過ぎ去った日々」 Op.57-1
◆「夏の夕べ」 Op.71-2
◆「スケルツォ」 Op.54-5
◆「孤独なさすらい人」 Op.43-2
◆「ノクターン」 Op.54-4
◆「小妖精」 Op.71-3
実際にお聴きしてみて、プレトニョフさんのベートーヴェンはこの方ならでは神領域といってよいものでしたので、2曲で充分と感じました。
極度に照明の落とされた客席に響くプレトニョフさんのベートーヴェンは、エネルギーの発露を抑えに抑え、『月光』のフィナーレでさえも技巧は絶対に見せつけず、テンポは悠々と遅く、フレーズとフレーズが寸断ぎりぎりの繋がれ方をなされ、強弱もかなり自由な考え方が反映されているのです。プレトニョフさんがお弾きになられるから、さまになるので、他の方がこのように弾いたら疑問視されかねません。
この解釈が4曲続くよりは、後半グリーグの描写的小品で光が差すように気分を変えてくださったことは、かえってよかったのではなかろうか、と思ったのです。
禁欲的、神がかり的なベートーヴェンと、みずみずしい北欧浪漫に満ちた小鳥や小川の模倣、土の香りの民族舞曲、伝説の妖精の跳梁等々のグリーグ、まるで異なる2つの世界を味わうことができました。
アンコールは下記の曲でした。
グリーグ:「民俗生活の情景-ピアノのためのユモレスク」よりOp.19-3『謝肉祭より』
2025年6月5日記
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