大型連休最後の5月6日、来日中のウィーン少年合唱団コンサートが午後から東京オペラシティコンサートホールで開催されるというので、それと連動した教養雑誌「ハルメク」の特別鑑賞講座が朝のうち、お隣、新国立劇場内のレストラン『マエストロ』で開かれました。
 その講師を依頼されておりましたので、今朝はまず、レストラン『マエストロ』に出勤、「ハルメク」の担当者の方と打ち合わせに入りました。
 ウィーン少年合唱団は1955年に初来日。今年は来日70年の記念年です。
 わたくしは、彼らが現在の音楽事務所の招聘となった2004年から今年まで21年間、コンサートの全曲目解説、CDのライナーノートを執筆していることから、この大任をお引き受けすることになった次第です。
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 参加者は80名。大半が女性ですが、ご夫妻やご家族でいらした方がたもおられ、みなさま、午後から鑑賞するウィーン少年合唱団への熱いご関心とご期待で目を輝かせておられます。最初に、ウィーン少年合唱団の鑑賞経験について挙手でうかがったところ、10名ほどの方が挙手され、何名かにお話しをきくと、昔、聴いたことがおありで、今日は数十年ぶりの懐かしい再会です、との方が数名おられました。
 中には、中学校の校外学習の一環として聴いてずっと忘れられなかったと語られた方もいらして、人生の多感な時期に出会った生の音楽の計り知れない値打ちを、いまさらながら噛みしめました。
 講座のあと、同じ建物の地下にあります新国立劇場小劇場で、同劇場の親子のための企画、「オペラをつくろう」という、公募型公演、ブリテン『小さなエントツそうじ屋さん』を拝見し、そのあと、お隣、東京オペラシティのコンサートホールで、ウィーン少年合唱団の日本公演のBプログラムを鑑賞いたしました。
 『小さなエントツそうじ屋さん』は、ブリテンの子ども向けオペラとはいえ、それなりの長さがありますが、これを新国立劇場の演出家、澤田康子さんがじょうずに刈り込んだ台本によって、オペラは生まれて初めて、という大人も子供も、あきずに鑑賞できる、優れた舞台劇になっていました。
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 しかも、子どもの出演陣はオーディションによる公募、おとなの出演陣は、同劇場が誇るスーパー歌い手集団、新国立劇場合唱団のメンバーがつとめていらっしゃり、どちらも大変優れた歌唱と演技でした。また、聴衆参加型でもあり、第2部では聴衆への歌唱指導もありましたため、第3部では親子連れの聴衆の多くが、合唱部分に本気で声を張り上げておられました。
 このような企画は、ぜひまた、お願いしたいと思いました。

 その後の、ウィーン少年合唱団はモーツァルト組。
 若いカペルマイスター、マヌエル・フーバーさんが、開演前に『ふるさと』と『上を向いて歩こう』の歌唱指導サービス。
 アンコールは『あひる』と、一人の少年がハエ叩きを振り回しながら舞台を走り回るマイム付きの『ハエ狩り』。これは、とても受けていました。

 3日連続、別々の演題でレクチャーをした連休後半が終わりました。
 明日、5月7日からは普通の日常が戻ります。たいへん嬉しいことです。
 だって、明日は、わが愛する、小平楽友サークル講座ですから。
 現在進行中の「2025年を記念年とする音楽と音楽家」の第5回。
 ラヴェルのファンタジー・オペラ『子どもと魔法』&『ボレロ』の徹底解説です。
 西武多摩湖線、青梅街道駅4分、小平中央公民館、10:00~12:00。
 どなたもお気軽にお越しくださいませ。
                                  2025年5月6日記