本夕(3月18日)、紀尾井ホールで辻彩奈さんのヴァイオリンリサイタルをお聴きしてまいりました。ピアノは、ストラスブール出身、パリ音楽院でジャン=クロード・ペヌティエに師事したエマニュエル・シュトロッセさん。ソリストでもある、室内楽の名手です。辻さんは2019年、フランス西部、ナントで開催されたラ・フォル・ジュルネで初めてシュトロッセさんと協演なさって感動し、日本でもぜひ、と願われながら、パンデミックに阻まれていたものが、ようやく今日、実現されたのだそうです。
初協演の時がフランクのソナタだったので、今日もフランクを再び採り上げられたとのことですが、他の曲目を、フランク繋がりで黄金の環のように構成されたところに舌を巻きました。
■曲目
イザイ:悲劇的な詩 Op. 12
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
ルクー:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
そうです。2人の作曲家はいずれもベルギー出身、パリで活動した方々です。最年長のフランクは、イザイの結婚式の贈り物として、ヴァイオリン・ソナタ イ長調を書き、最も若いルクーを教えました。
フランクが1890年に亡くなったあと、イザイは、ルクーにヴァイオリン・ソナタを依頼します。その依頼に応えて生まれたのが、ルクーの代表作、ヴァイオリン・ソナタ ト長調でした。このソナタは1893年3月にブリュッセルで初演され、イザイに献呈されました。でも気の毒にも、ルクーはその翌年、24歳の若さで病没しています。イザイは1931年まで存命しました。
そんな相互関係にある3作曲家のソナタを、一つの演奏会で採り上げるとは、それがまず、卓抜なアイディアだと思います。
しかも、演奏がまた、強い集中力に貫かれた名演でした。辻さんは、なさりたい音楽表現のイメージを明確にお持ちで、それを可能にする高い技術がおありなのです。
3曲ともお見事。ことに、ルクーは超絶名演でした。
アンコール曲は、イザイ『子どもの夢』。
2025年3月18日記
初協演の時がフランクのソナタだったので、今日もフランクを再び採り上げられたとのことですが、他の曲目を、フランク繋がりで黄金の環のように構成されたところに舌を巻きました。
■曲目
イザイ:悲劇的な詩 Op. 12
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
ルクー:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
そうです。2人の作曲家はいずれもベルギー出身、パリで活動した方々です。最年長のフランクは、イザイの結婚式の贈り物として、ヴァイオリン・ソナタ イ長調を書き、最も若いルクーを教えました。
フランクが1890年に亡くなったあと、イザイは、ルクーにヴァイオリン・ソナタを依頼します。その依頼に応えて生まれたのが、ルクーの代表作、ヴァイオリン・ソナタ ト長調でした。このソナタは1893年3月にブリュッセルで初演され、イザイに献呈されました。でも気の毒にも、ルクーはその翌年、24歳の若さで病没しています。イザイは1931年まで存命しました。
そんな相互関係にある3作曲家のソナタを、一つの演奏会で採り上げるとは、それがまず、卓抜なアイディアだと思います。
しかも、演奏がまた、強い集中力に貫かれた名演でした。辻さんは、なさりたい音楽表現のイメージを明確にお持ちで、それを可能にする高い技術がおありなのです。
3曲ともお見事。ことに、ルクーは超絶名演でした。
アンコール曲は、イザイ『子どもの夢』。
2025年3月18日記
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