11月4日、トッパンホールを会場として、若手ヴアイオリニストの山根一仁さんが、J.S.バッハ:無伴奏ソナタとパルティータ全曲演奏会を開催されました。拝聴させていただいた感想を一言で述べるならば、これほどまでにのびやかで自由度の高い、しかももちろん、卓越した技術に裏打ちされた同作品群の一挙演奏会は稀だったと言ってよいかと思われます。
わたくしが初めて山根さんをお聴きしたのは、今から13年前の2011年の5月、宮崎国際音楽祭での、アカデミー受講生による「新星たちのコンサート」でのことした。そのときの山根さんは、もちろん、才能に溢れておいででしたが、その力みが前面に出て、まぶしすぎるほどの演奏をなさっておいででした。
それからも折々に、山根さんの演奏をお聴きしてまいりましたが、このたびのバッハ無伴奏全曲演奏会は、彼がいかに自然体の脱力奏法を身に着け、その上で、バロックの即興性を体現した、自由度の高い解釈をこの作品群に与えて、伸びやかで清新なバッハ象を築き上げたかをまざまざと見せつけるものでした。日本人ヴァイオリニストの同作品群の一挙演奏会としても、記念碑的な挑戦だったと存じます。
演奏批評は『音楽の友』に。
2024年11月5日記
わたくしが初めて山根さんをお聴きしたのは、今から13年前の2011年の5月、宮崎国際音楽祭での、アカデミー受講生による「新星たちのコンサート」でのことした。そのときの山根さんは、もちろん、才能に溢れておいででしたが、その力みが前面に出て、まぶしすぎるほどの演奏をなさっておいででした。
それからも折々に、山根さんの演奏をお聴きしてまいりましたが、このたびのバッハ無伴奏全曲演奏会は、彼がいかに自然体の脱力奏法を身に着け、その上で、バロックの即興性を体現した、自由度の高い解釈をこの作品群に与えて、伸びやかで清新なバッハ象を築き上げたかをまざまざと見せつけるものでした。日本人ヴァイオリニストの同作品群の一挙演奏会としても、記念碑的な挑戦だったと存じます。
演奏批評は『音楽の友』に。
2024年11月5日記
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