このところ、アニバーサリー、または、メモリアルのコンサートが相次ぎます。本日9月21日は、東京交響楽団のサントリーホール、定期演奏会が同団の桂冠指揮者、秋山和慶マエストロの指揮者生活60周年を記念して開催されました。
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 前半は、竹澤恭子さんをソリストに迎えた、ベルクのヴァイオリン協奏曲。
 いつもながら、強い集中力に貫かれた竹澤さんのソロは、濃密な音で進行します。分散和音から淡々と始まる前半と、迫力ある後半との対比も鮮やかで、最後はまさに笛の音のような透明感のあるフラジオレットが長く尾を引いて結ばれました。 
 アンコールはバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番のアンダンテ。
 後半はブルックナーの4番『ロマンティック』
 スタイリッシュな、気品ある指揮から、この作曲家ならではの交響曲の基本形がまざまざと伝わってきました。ブルックナーは第一級のオルガニストでもあったわけですが、曲の随所に、管楽器の巧みな扱いによってオルガンを思わせる音響が生まれていることにあらためて感嘆いたします。
 RAブロックから拝聴できたおかげで、冒頭はじめあちこちに圧巻のホルン・ソロを聴かせてくださった奏者をまっさきに立たせたマエストロを写すことができました。
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 今月は、『小澤征爾さんを偲ぶコンサート』『齋藤秀雄先生没後50年メモリアル・コンサート』、そして本日の東京交響楽団定期『指揮者生活60周年記念』と、3回、秋山マエストロの名演を拝聴させていただくことができました。
 ますますのご活躍をお祈りいたします。
                               2024年9月21日記