東京文化会館では2006年から、同館で開催される東京音楽コンクールの入賞者を中心とするキャスティングで、小ホール・オペラ・シリーズを毎年実施しています。最初の3回は「秋のクラシック・コンサート」という名称でしたが、2009年から「オペラBOX」のシリーズ名が冠されるようになりました。
箱詰めオペラ。オペラの楽しみがぎっしり詰まったオペラの玉手箱、とも取れますし、小ホールを箱に見立てて、その中で創意工夫の限りを尽くして演じるオペラ、の意味でもありましょうか。卓抜なネーミングだと存じます。
本日9月15日、今年のオペラBOX『トスカ』を拝見してまいりました。
本来、リサイタルホールであるはずのこの会場で、オペラができてしまう、ことへの驚きを毎回感じますが、今回も、この扁平六角形の小さなステージが、第一幕では聖アンドレア・デラ・ヴァレ教会に、第二幕ではファルネーゼ宮殿に、第三幕ではサンタンジェロ城の屋上の、牢屋と処刑場に、立派に見立てられました。舞台づくりの叡智にまず感嘆いたします。
指揮は園田隆一郎さん(2台のピアノを指揮されました)、演出は粟國淳さん。
出演は次の方たちでした。
箱詰めオペラ。オペラの楽しみがぎっしり詰まったオペラの玉手箱、とも取れますし、小ホールを箱に見立てて、その中で創意工夫の限りを尽くして演じるオペラ、の意味でもありましょうか。卓抜なネーミングだと存じます。
本日9月15日、今年のオペラBOX『トスカ』を拝見してまいりました。
本来、リサイタルホールであるはずのこの会場で、オペラができてしまう、ことへの驚きを毎回感じますが、今回も、この扁平六角形の小さなステージが、第一幕では聖アンドレア・デラ・ヴァレ教会に、第二幕ではファルネーゼ宮殿に、第三幕ではサンタンジェロ城の屋上の、牢屋と処刑場に、立派に見立てられました。舞台づくりの叡智にまず感嘆いたします。
指揮は園田隆一郎さん(2台のピアノを指揮されました)、演出は粟國淳さん。
出演は次の方たちでした。
トスカ:迫田美帆 *第13回東京音楽コンクール声楽部門第2位
カヴァラドッシ:宮里直樹 *第10回声楽部門第2位〈最高位〉及び聴衆賞
スカルピア:井出壮志朗 *第17回声楽部門第3位
アンジェロッティ・看守:奥秋大樹 *第19回声楽部門第3位
スポレッタ:鈴木俊介
シャルローネ:大久保惇史
堂守:久保田真澄
羊飼い:清水理恵 *第7回声楽部門第1位及び聴衆賞
司祭:朝岡聡
合唱:コーロ・サンタンドレア
児童合唱:バンビーニ・ロマーニ・ロッシ(ワークショップ「オペラをつくろう!」参加者)
ピアノ:髙橋裕子、矢野雄太(客席、上手の数列を取り払って2台のグランドと指揮台が設営されました)
主役の三人の方たちは上げ潮に乗られている歌手ばかりで、いずれも役柄にぴったり。
宮里さんは過去にこのシリーズでカヴァラドッシを2回、経験していらして、今回が3回目だけに、お声の伸びも演技も群を抜いておられました。迫田さんも今注目のソプラノで、わたくしはこの方の『蝶々夫人』『ラ・ボエーム』のミミ、『フィガロ』の伯爵夫人、『コジ』のフィオルディリージなどを拝見してきまして、どんどん芸域を広げていかれるさまに、驚き入っております。
井出さんもこのところ大活躍の素晴らしいバリトンです。迫力にみちずしりと響くお声は、いかにもバリトンらしい魅力にあふれています。今日のスカルピア役は、かつら、お衣裳もよくお似合いで、この悪役の憎まれ者ぶりをこれでもかと、演じておられました。今後、名スカルピアとしてひっぱりだこになられるのではないでしょうか。
他の方たち、合唱、少年少女合唱、すべてお見事でした。
2024年9月15日記
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