わたくしはかねてより、女性作曲家に多大な関心を抱いてまいりました。1789年ポーランドのワルシャワに生まれ、ヨーロッパ各地でピアニストとして活動し、1829年からサンクトペテルブルクに定住してロシア皇妃から宮廷ピアニストに任命される栄誉にも浴しながら、3年後の1831年に同地でコレラに罹患して41歳の生涯を閉じたマリア・シマノフスカも気になる女性の一人でありましたところ、今夜、彼女の作品をメインに据えたコンサートがございますので、これから聴かせていただきにまいります。
ショパンより21年早く、同じポーランドに生まれましたので、ショパンへの影響も考えられなくはないでしょうが、腺病質で演奏旅行向きではなかったショパンとは異なり、むしろ彼女には、フンメルやリストのような、ツーリング・ヴィルトゥオーゾの一面があったことに興味を惹かれます。
彼女は何と、ドイツ、フランス、イングランド、イタリア、ベルギー、オランダ各地を訪れて、ピアニストとしての実力を認められ、行く先々でのコンサート用に、ピアノ独奏曲、歌曲、室内楽曲を書いたのでした。
移動に多くの困難が伴うあの時代に、よほどタフでなければ、これは出来ないことでしょう。
もう一つ、彼女には、サロンの女主人としての顔もあり、同時代の文化人たちと幅広い交友関係も築いていました。例えば、大詩人ゲーテ、音楽家のロッシーニ、フンメル、フィールド、歌手のジュディッタ・パスタ、それからポーランドの愛国詩人アダム・ミツキェヴィッチ。
実は彼女は若い時に結婚をして3人の子どもに恵まれますが、結婚10年で離婚、3人とも引き取って育てながら、旺盛な演奏、創作活動を続けていたのです。これも驚異的です。
彼女の没後のことですが、娘の一人は前述のミツキェヴィチと結婚しました。ただし、不幸な結婚生活だったことが知られています。
このように、様々な点で注目されるシマノフスカのピアノ曲を、今夜は,女性作曲家のピアノ作品紹介に力を入れておいでの、宮﨑貴子さんの演奏で拝聴してまいります。
その前に検索いたしましたら、今夜の宮﨑さんの演奏曲目に入っている、シマノフスカの変ロ長調のノクターンを見つけました。
とてもロマンティックな曲で、フィールドとショパンの橋渡しを感じます。
ためしにお聴きになつてみてくださいませ。
Maria Szymanowska - Nocturne in B flat major - Female power project (Anna Lipiak pianist ) (youtube.com)
2024年5月24日日

ショパンより21年早く、同じポーランドに生まれましたので、ショパンへの影響も考えられなくはないでしょうが、腺病質で演奏旅行向きではなかったショパンとは異なり、むしろ彼女には、フンメルやリストのような、ツーリング・ヴィルトゥオーゾの一面があったことに興味を惹かれます。
彼女は何と、ドイツ、フランス、イングランド、イタリア、ベルギー、オランダ各地を訪れて、ピアニストとしての実力を認められ、行く先々でのコンサート用に、ピアノ独奏曲、歌曲、室内楽曲を書いたのでした。
移動に多くの困難が伴うあの時代に、よほどタフでなければ、これは出来ないことでしょう。
もう一つ、彼女には、サロンの女主人としての顔もあり、同時代の文化人たちと幅広い交友関係も築いていました。例えば、大詩人ゲーテ、音楽家のロッシーニ、フンメル、フィールド、歌手のジュディッタ・パスタ、それからポーランドの愛国詩人アダム・ミツキェヴィッチ。
実は彼女は若い時に結婚をして3人の子どもに恵まれますが、結婚10年で離婚、3人とも引き取って育てながら、旺盛な演奏、創作活動を続けていたのです。これも驚異的です。
彼女の没後のことですが、娘の一人は前述のミツキェヴィチと結婚しました。ただし、不幸な結婚生活だったことが知られています。
このように、様々な点で注目されるシマノフスカのピアノ曲を、今夜は,女性作曲家のピアノ作品紹介に力を入れておいでの、宮﨑貴子さんの演奏で拝聴してまいります。
その前に検索いたしましたら、今夜の宮﨑さんの演奏曲目に入っている、シマノフスカの変ロ長調のノクターンを見つけました。
とてもロマンティックな曲で、フィールドとショパンの橋渡しを感じます。
ためしにお聴きになつてみてくださいませ。
Maria Szymanowska - Nocturne in B flat major - Female power project (Anna Lipiak pianist ) (youtube.com)
2024年5月24日日
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