昨5月22日の晩、トッパンホールで、文学と音楽の出会いの極致を聴かせていただきました。1956年ドイツ生まれの名テノール、クリストフ・プレガルディエンと長年の名パートナー、ミヒャエル・ゲースによるシューベルト・アーベントです。
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 600曲ともいわれるSchubertの歌曲の中から、別れと旅立ちをテーマとした、下記のプログラムが、プレガルディエンの、抜群の表現力と、独特の気品を兼ね備えたお声で歌われました。
 ゲースのピアノは剛柔自在。まるで、愛馬の手綱を巧みに取るかのようにピアノを生き物のように扱い、あるときはやさしくなぜるかのように、ある時はここぞと鞭を当てるかのようにして瞬発力を引きだすのです。
 プログラムの組み方も秀逸で、それぞれのドラマに打たれました。
                                2024年5月23日記

  • シューベルト:
    逢瀬と別れ D767/星 D939/夜の曲 D672/弔いの鐘 D871/さすらい人 D489/
    さすらい人の夜の歌 I〈汝、天より来たりし者〉D224/ヴィルデマン山地を越えて D884/
    精霊の踊り D116/魔王 D328/さすらい人の夜の歌 II〈山々に憩いあり〉D768/あこがれ D879/
    ミューズの息子 D764/ブルックの丘にて D853/夕映えの中で D799/休みなき愛 D138/
    とらわれの狩人の歌 D843/竪琴弾きの歌より〈われ戸口にしのび行かん〉D479/
    さすらい人 D649/さすらい人の月に寄せる歌 D870/孤独な人 D800/船乗り D536/
    御者クローノスに D369/《白鳥の歌》より〈影法師〉D957-13/夜と夢 D827