政情不穏に悩む、南米ベネズエラに開発された驚異的な音楽教育システムの申し子が、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者ドミンゴ・インドヤンさんです。インドヤンさんは現在、この英国の名門オーケストラの首席指揮者を務めていて、このほど、同オーケストラを率いて来日され、5月14日と15日の二晩、サントリーホールを会場に熱い公演を繰り広げられました。
 5月15日は、ウォルトンの喜劇的序曲『スカピーノ』。滅多に聴けない佳品で、ロンドン初演のタクトを執ったのは、なんと、フルトヴェングラーだったといいます。
 コンチェルトは、辻井伸行さんをソリストとするラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、後半に、チャイコフスキーの交響曲第5番、というプログラムでした。
 14日の公演と、15日の公演を続けて聴かせていただいて感じたのは、音楽が生き物である、ということでした。
 辻井さんもオーケストラも、もちろん、両公演とも結構でしたが、特に、15日の辻井さんのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番の演奏は、近年に聴かせていただいた中でも最高峰の名演でした。
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 アンコールは上記の通りでございます。
                           2024年5月15日記