1月の東京フィル定期演奏会は、特別客演指揮者、ミハイル・プレトニョフ指揮の北欧プログラム3公演でした。昨1月25日の晩、東京オペラシティコンサートホールで、その3公演目を拝聴してまいりました。
幕開けは、シベリウス『カレリア組曲』。
3曲構成の組曲のうち最後の『行進曲』のみ、しばしば単独のアンコール・ピースとして演奏されますが、どれも佳品なので、通して聴けるのは嬉しいことでした。
1曲目「間奏曲」はたった一つの主題しかないのに、それが湧きあがる様子からから、勢いを増すさま、いつしか遠ざかっていく名残惜しさまで、気品に満ちて表現されました。
2曲目「バラード」では、イングリッシュホルンの昔懐かしい調べが吟遊詩人の時代のタイムスリップさせてくれました。
第3曲「マーチ」は聴いているわたくしたちも知らず知らず心が浮き立つほど軽快に奏されました。
次は、2021年ショパン国際コンクールで第3位を獲得したマルティン・ガルシア・ガルシアのソロで、グリーグのピアノ協奏曲。ピアノはファツィオリ。この人は、とてつもないエネルギー、輝かしいヴィルトゥオジティー、陽性の明るい音色を持つスペイン人ピアニストです。でも、さすがにグリーグですので、音に渋みと重みをもたせていて、力強い技巧が前面に出ていました。カデンツァは会心の鮮やかさです。
アンコールは、シューマン/リスト『『献呈』。さりげなく、装飾を付けていました。
後半のメインは、シベリウスの2番。
プレトニョフの芸風は近年とみにスケール感を増してきていて、今回はその頂点ともいえる壮大なシンフォニーが構築されました。
圧巻は、3楽章で、驀進―-ゆったり―驀進―ゆったりを交互させた後、攻めの姿勢に入ってぐんぐんと高揚し、もうここまでか、いやまだ上がある、を繰り返した頂点で、ついには夜が明けたようにフィナーレへ突入する部分。こうして入ったフィナーレでの金管楽器の使い方も、お見事の一語。咆哮もさせず、金切声も絶対に出させることなく、金管ならではの重厚な響きで勝利へと進んでいくのです。
最後は誇らかな讃歌で結ばれました。
2024年1月26日記
幕開けは、シベリウス『カレリア組曲』。
3曲構成の組曲のうち最後の『行進曲』のみ、しばしば単独のアンコール・ピースとして演奏されますが、どれも佳品なので、通して聴けるのは嬉しいことでした。
1曲目「間奏曲」はたった一つの主題しかないのに、それが湧きあがる様子からから、勢いを増すさま、いつしか遠ざかっていく名残惜しさまで、気品に満ちて表現されました。
2曲目「バラード」では、イングリッシュホルンの昔懐かしい調べが吟遊詩人の時代のタイムスリップさせてくれました。
第3曲「マーチ」は聴いているわたくしたちも知らず知らず心が浮き立つほど軽快に奏されました。
次は、2021年ショパン国際コンクールで第3位を獲得したマルティン・ガルシア・ガルシアのソロで、グリーグのピアノ協奏曲。ピアノはファツィオリ。この人は、とてつもないエネルギー、輝かしいヴィルトゥオジティー、陽性の明るい音色を持つスペイン人ピアニストです。でも、さすがにグリーグですので、音に渋みと重みをもたせていて、力強い技巧が前面に出ていました。カデンツァは会心の鮮やかさです。
アンコールは、シューマン/リスト『『献呈』。さりげなく、装飾を付けていました。
後半のメインは、シベリウスの2番。
プレトニョフの芸風は近年とみにスケール感を増してきていて、今回はその頂点ともいえる壮大なシンフォニーが構築されました。
圧巻は、3楽章で、驀進―-ゆったり―驀進―ゆったりを交互させた後、攻めの姿勢に入ってぐんぐんと高揚し、もうここまでか、いやまだ上がある、を繰り返した頂点で、ついには夜が明けたようにフィナーレへ突入する部分。こうして入ったフィナーレでの金管楽器の使い方も、お見事の一語。咆哮もさせず、金切声も絶対に出させることなく、金管ならではの重厚な響きで勝利へと進んでいくのです。
最後は誇らかな讃歌で結ばれました。
2024年1月26日記
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