昨日の続きです。モルゴーア・クアルテットが30周年記念公演の一環として、過去演奏曲の再聴希望曲総選挙の結果を反映させたプログラムが、昨晩のコンサートで演奏されました。それが標題3曲です。実際、この3曲は、第15番が第3位、「大フーガ」が第5位、に入っていて、ここまでは順当ですが、第9位のシュニトケを入れたことは、やはり、モルゴーアらしさ、という意味からであると、事務局の小野富士さんの説明文がございました。
そして、今回、この3曲を組ませた理由として、池辺晋一郎先生のプログラムに次のような解説を書いておられました。
「ベートーヴェンの「第15番」と「大フーガ」の主題要素は共通しており、シュニトケ「第3番」には「大フーガ」の要素が用いられている。ここでいう「要素」とは、音高に、また、音名に意味を持たせる手法である」
そして、シュニトケ3番は、最初に3つの先行作品の引用があり、それは、オルランド・ラッソ、ショスタコーヴィチ、そして、ベートーヴェンの「第15番」なのだそうです。そういうわけで、シュニトケは「第15番」につながり、「第15番」は「大フーガ」につながるので、この3曲セットは意義があるということが、先生一流の軽妙な文章で書かれていました。
なんという、緊密な糸に結ばれた3曲。
それが、奇しくも「総選挙」の結果反映であったことに、モルゴーア・ファンの只者ではないところを感じ、恐れ入りました。
第1位のヒンデミットというのは、聞き慣れない曲名とお思いの方も多いかも知れません。わたくしはたまたま、2年前の霧島国際音楽祭で聴く幸運に恵まれ、おなかを抱えて笑いました。これは、よくできた冗談音楽です。
それから、リーダーの荒井さんの集計結果への所感として、
「みなさん、案外、普通の名曲が聴きたいんだ、と思いました」
というようなお言葉がありました。
演奏は、一言で言えば「硬派」。ゆるぎない構築力と、研ぎ澄まされた音、一人一人がめいめい主張しつつ、常に全体を見渡して出るところ、引くところを心得抜いた、練達のアンサンブルでした。
荒井さんはこんなこともおっしゃいました。
「ベートーヴェン2曲はさすがにきつい」
「30年やっててこんなものか、と言われたくないので、いつもよりたくさん練習しました」
お偉いです。まさに、30年の年輪を感じさせる演奏でした。
2024年1月23日記
そして、今回、この3曲を組ませた理由として、池辺晋一郎先生のプログラムに次のような解説を書いておられました。
「ベートーヴェンの「第15番」と「大フーガ」の主題要素は共通しており、シュニトケ「第3番」には「大フーガ」の要素が用いられている。ここでいう「要素」とは、音高に、また、音名に意味を持たせる手法である」
そして、シュニトケ3番は、最初に3つの先行作品の引用があり、それは、オルランド・ラッソ、ショスタコーヴィチ、そして、ベートーヴェンの「第15番」なのだそうです。そういうわけで、シュニトケは「第15番」につながり、「第15番」は「大フーガ」につながるので、この3曲セットは意義があるということが、先生一流の軽妙な文章で書かれていました。
なんという、緊密な糸に結ばれた3曲。
それが、奇しくも「総選挙」の結果反映であったことに、モルゴーア・ファンの只者ではないところを感じ、恐れ入りました。
第1位のヒンデミットというのは、聞き慣れない曲名とお思いの方も多いかも知れません。わたくしはたまたま、2年前の霧島国際音楽祭で聴く幸運に恵まれ、おなかを抱えて笑いました。これは、よくできた冗談音楽です。
それから、リーダーの荒井さんの集計結果への所感として、
「みなさん、案外、普通の名曲が聴きたいんだ、と思いました」
というようなお言葉がありました。
演奏は、一言で言えば「硬派」。ゆるぎない構築力と、研ぎ澄まされた音、一人一人がめいめい主張しつつ、常に全体を見渡して出るところ、引くところを心得抜いた、練達のアンサンブルでした。
荒井さんはこんなこともおっしゃいました。
「ベートーヴェン2曲はさすがにきつい」
「30年やっててこんなものか、と言われたくないので、いつもよりたくさん練習しました」
お偉いです。まさに、30年の年輪を感じさせる演奏でした。
2024年1月23日記
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