本日、(1月21日)、サントリーホールで開催された第403回名曲コンサートは、首席指揮者、カーチュン・ウォンさんの指揮で、伊福部昭:舞踊曲『サロメ』より「7つのヴェールの踊り」、ラフマニノフ『パガニーニの主題による狂詩曲』、ベルリオーズ『幻想交響曲』が演奏されました。
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 伊福部作品は、マエストロ・ウォンの「日本とアジアの作曲家の作品を積極的に発信したい」という就任ポリシーの一環で、その言の通り、よく咀嚼が行き届き、自信に満ちた指揮ぶりでした。
 上原彩子さんのパガニーニ。いつもながら、強靭な打鍵に驚かされます。完全に手の内に入っていて、剛柔自在、ダイナミクスの幅も広く、変化にとんだラプソディと申しますか変奏曲を聴かせてくださいました。
 アンコールは、ラフマニノフ『前奏曲』op.32-5
   後半の『幻想交響曲』は、マエストロ・ウェンが、曲のプログラムとオーケストラ・テクスチュアを丁寧に、わかりやすく解説するかのような演奏です。例えば、第2楽章の舞踏会では、恋人の主題が一瞬見えかくれするのではなく、かなりの存在感を持って印象付けられました。
 終楽章の『魔女の宴』も、次々に、魔物や妖怪たちが参集する様子、魔女の高笑い、そしていよいよ、妖怪老婆ふうになってしまった恋人が、キャピキャピとした滑稽なエスクラリネットで、これでもか、これでもかと、描き出されました。
                                    2024年1月21日