1月13日の土曜日午後、東京藝術劇場で開かれた、東京都交響楽団第991回定期演奏会Cシリーズでは、幕開けに、このたびの能登半島震災で犠牲になられた方たちを追悼する曲を演奏します、とのアナウンスがあり、下野竜也マエストロがJ.S.バッハの『アリア』を振られました。
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 震災から12日。震災の被害に遭われて亡くなられた方、震災そのものからは辛くもお逃れになったのに、避難所の困難な生活の中で命を落とされた方、行方不明の方。犠牲になられた方たちの全貌もみえませんが、ともかくもこの日のコンサートでは、その方がたを悼むバッハの調べが流れました。これが、わたくしの遭遇した初めての、能登半島地震被災者追悼プログラムでした。
 曲がおわったあと、そのまましばし黙祷して、ステージ、客席心を一つにして、犠牲者のご冥福と、避難されておられる方たちが少しでも快適な環境でお過ごしになれるように祈りました。
 コンサート本編は、津田裕也さん独奏の、モーツァルトのハ短調のピアノ協奏曲と、大変珍しい、ブルックナーの交響曲第1番の2曲。津田さんのソリスト・アンコールはベートーヴェンのト長調のバガテルでした。
 ブルックナーは聴き応えがございました。
                                  2024年1月15日記