「国際音楽祭NIPPON」はヴァイオリニストの諏訪内晶子さんが10年前に創始し、音楽仲間やお弟子さん方の出演を得て、芸術監督&ソリストとして牽引されてこられた、マスタークラス&コンサート・シリーズです。
 コロナ禍の期間中は、縮小を余儀なくされましたが、今年は国内外から優秀な演奏家たちが集まり、多彩な企画を繰り広げています。
 1月11日と12日は、東京オペラシティコンサートホールで、5曲の協奏曲に序曲やディヴェルティメントも加えた『モーツァルト ヴァイオリン協奏曲 全曲演奏会」が開かれました。
IMG20240113191044_20240113191215

 3番と5番を含むプログラムの12日に拝聴してきましたところ、諏訪内さんのソロも相変わらず、凛とした美音、爽快なボーイングで奏されて魅了されましたが、室内オーケストラを振られた、サッシャ・ゲッツェルさんの指揮、白井圭さんをコンマスとするオーケストラの鳴りがよく、モーツァルトらしいしなやかで溌溂とした音楽が構築されていたことに、強い共感を覚えました。
 諏訪内さんはかつて、ストラディヴァリウスの「ドルフィン」をお使いでしたが、現在は、ガルネリ・デル・ジェスの「チャールズ・リード」が愛器です。今ではすっかりこのとてつもない名器を、よき相棒となさっておられるごようすでした。
                                   2024年1月14日記