昨晩(1月10日)、サントリーホールで読売日本交響楽団 第669回名曲シリーズを聴いてまいりました。指揮は、2019年から、同響の第10代常任指揮者の任にあるセバスティアン・ヴァイグレ。早いもので、就任なさってから今年で5年。毅然としたスタイリッシュな指揮ぶりにはますます磨きがかかられています。
曲目は、藤田真央さん独奏の、ブラームスのピアノ協奏曲第2番と、シューマンの交響曲第1番『春』。つながりの深い二人の作曲家の、変ロ長調作品同士が選ばれました。
シューマンの1番『春』が、31歳の1841年に初演されて彼のシンフォニスト出世作となったのに対し、ブラームスのピアノ協奏曲第2番は、40代後半に書かれ、48歳の1881年に初演された、大家の円熟作ですから、同じ調性とはいえ、ずいぶんと背景が異なるところが面白いと思いました。
藤田真央さんの独奏は、第一音から、ずしりと重みのあるブラームスの音になり切っておられるのにまず感嘆いたしました。その音はどんなときにもオーケストラに埋没せず、存在感を示しながら、よくオーケストラと協調します。ブラームス特有の弾きにくいトリルもなんのその、藤田さんのテクニックは盤石で、カデンツァではため息の出るような名演を繰り広げられました。第3楽章では、チェロ首席の遠藤真理さんがうっとりするようなソロを奏され、この曲のもう一つの聴きどころを堪能させてくださいました。
ソリスト・アンコールはブラームス『8つの小品』作品76より,第2曲「カプリッチョ」。
『春』は、若きシューマンの清新な息吹と、前向きな野心がひたひたと伝わってくるような、フレッシュで、しかも格調高い演奏でした。音楽に品位があり、どこをとってもみずみずしい生命力にあふれているのです。
フィナーレに顔を出す「クライスレリアーナ」終曲の主題は、シューマンの悲壮感とアイロニーを感じさせて、作曲家の一つの本質を見る思いがいたしました。
2つの大曲の名演に大満足いたしました。
2024年1月11日記
曲目は、藤田真央さん独奏の、ブラームスのピアノ協奏曲第2番と、シューマンの交響曲第1番『春』。つながりの深い二人の作曲家の、変ロ長調作品同士が選ばれました。
シューマンの1番『春』が、31歳の1841年に初演されて彼のシンフォニスト出世作となったのに対し、ブラームスのピアノ協奏曲第2番は、40代後半に書かれ、48歳の1881年に初演された、大家の円熟作ですから、同じ調性とはいえ、ずいぶんと背景が異なるところが面白いと思いました。
藤田真央さんの独奏は、第一音から、ずしりと重みのあるブラームスの音になり切っておられるのにまず感嘆いたしました。その音はどんなときにもオーケストラに埋没せず、存在感を示しながら、よくオーケストラと協調します。ブラームス特有の弾きにくいトリルもなんのその、藤田さんのテクニックは盤石で、カデンツァではため息の出るような名演を繰り広げられました。第3楽章では、チェロ首席の遠藤真理さんがうっとりするようなソロを奏され、この曲のもう一つの聴きどころを堪能させてくださいました。
ソリスト・アンコールはブラームス『8つの小品』作品76より,第2曲「カプリッチョ」。
『春』は、若きシューマンの清新な息吹と、前向きな野心がひたひたと伝わってくるような、フレッシュで、しかも格調高い演奏でした。音楽に品位があり、どこをとってもみずみずしい生命力にあふれているのです。
フィナーレに顔を出す「クライスレリアーナ」終曲の主題は、シューマンの悲壮感とアイロニーを感じさせて、作曲家の一つの本質を見る思いがいたしました。
2つの大曲の名演に大満足いたしました。
2024年1月11日記

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