本日は12月の第3水曜日でしたので、小平楽友サークルの今年最後の開催日でした。後期の10回シリーズはあとまだ1月の2回がございますが、2023年としては今日が最終回ということで、感慨深くお話させていただきました。現在のシリーズ・テーマは「20世紀の名演奏家たち」vol.2です。今回の名演奏家は、1923年当時のポーランド領、現在のウクライナのリヴィウ生まれの名指揮者、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキでした。
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 モーツァルトにも近い神童で早くからピアノ、作曲に並外れた才能を発揮していたスクロヴァチェフスキは、第二次大戦下、ナチス・ドイツの砲撃により自宅が損壊されたときに、大切な手を負傷し、ピアニストを断念して指揮者となられた方です。広いレパートリーを持っていましたが、先にブルックナー指揮者として評価されたために、それはよいことですが、逆に古典派、ロマン派のオーソドックスなレパートリー録音の機会に恵まれず、古希をすぎてから、ようやく、ベートーヴェン、ブラームスの全集を達成した、遅咲きの巨匠でもありました。
 2007~10年に、読売日本交響楽団の第8代常任指揮者を務められた時代に、ブルックナーの演奏で日本の聴衆を魅了したスクロヴァチェフスキの、本日は作曲家最後の、そして未完作となった、第9番ニ短調をみんなで聴きました。
 第9番がニ短調というのも、ベートーヴェンを思わせます。ブルックナーは晩年、周囲の人々の意見に耳を傾けすぎて、これまでの自作に反省点を多々見出してしまい、その改訂に打ち込んで人生の貴重な持ち時間を費やしてしまったために、第9番を完成させることができませんでした。第4楽章はスケッチのみで終わっています。
 自作の『テ・デウム』を第4楽章に充当する方法も本人が言い遺したそうですが、あまりしっくりしないことから、第3楽章までで終わりとする演奏が一般的のようです。
 スクロヴアチェフスキ指揮、読響の2009年のライヴでも、そのやり方で演奏されていました。
 鑑賞のあと、何人かの方が貴重な感想を述べてくださいました。
「ブルックナーは、なんとなく敷居が高いように感じていましたが、聴いてみるとそんなことはありませんでした」
「冒頭、もやもやとした霧の中から何か大きなものが姿を現すさまは圧巻」
「こんなにも、美しいメロディーに溢れていたことに驚きました」

 実ははわたくしは、座興のつもりで、
「ブルックナーの演奏会に行くと、いつも必ず、休憩時間には女性のレストルームはらくらく利用できますのに、殿方レストルームに長蛇の列ができまして、その列をブルックナー・ラインと呼びます」
 とお話したところ、
「なぜ、ブルックナーは男性に人気が高く、女性にはそれほどでもないのですか」
 との、鋭いご質問をいただきました。
 そこで、ささやかな私見を述べさせていただきました。
「・・・・・・・・・・」
 ご関心のあられる方は、講座へお越しいただけましたら、私見をお話させていただきます。

 今日は、初めての方にもおみえいただけて、おおいに励まされました。
 クラシック音楽ファンのみなさま、原則として毎月第一、第三水曜日に小平中央公民館で開催しております、「小平楽友サークル」講座へ、ほんのお試しに、ふらりとお遊びにいらしていただければ幸いです。  
 次回は、年明けの変則日程ですが、2024年1月10日、10:00~12:00、マエストロ・ブロムシュテットのシベリウ2番を、音楽好きな仲間たちで、理屈抜きに楽しく鑑賞いたします。
 小平中央公民館は西武多摩湖線、青梅街道駅徒歩4分、予約無用でじかにいらしてくださいませ。1回限りの飛び入り参加でも大歓迎させていただきます。
                                 2023年12月20日記