第17回チャイコフスキー国際音楽コンクールは何事もなかったかのように開催され、ピアノ部門はロシアのセルゲイ・ダビチェンコ(18)さんが栄冠を手にして6月29日に閉幕しました。この写真は2007年第13回同コンクールの取材時に、クリンのチャイコフスキー記念館のお庭で撮りました。
mc418
 今回の第17回は主催者発表によれば、23か国、236名が参加したということで、ロシア人の人数はわかりませんが、2番目に多かったのは中国人の48名とのことです。本選のオーケストラの指揮は、今となってはここで存在感を放つしかないワレリー・ゲルギエフさん。満面に笑みを湛えておいでです。
 日本からも何名かの方が参加していらっしゃり、ピアノ部門では、
パリ、エコール・ノルマル音楽院在学中の田所光之マルセルさん(29)=愛知県尾張旭市出身=、東京芸術大講師の黒岩航紀さん(31)=宇都宮市出身=の2名が第二次予選まで残られたということです。  
 おふたりとも、近年の各国際コンクールにしばしばお名前を見かける方です。黒岩さんは2015年第84回日本音楽コンクール優勝者です。
 田所さんは動画で聴かせていただきましたし、黒岩さんは生演奏を何度か拝聴しておりますが、たいへん力量のある方たちです。おふたりとも、やはりロシア音楽は本場で勝負したかった、という意味のことをおっしゃっていて、お気持ちよくわかります。
 セルゲイ・ダビチェンコさんは存じ上げませんが、年齢からみて、きっと、将来性、伸びしろの余地、という観点から選ばれたのではないでしょうか。
 田所さん、黒岩さん、その他の日本人参加者のみなさま、困難な状況下でのチャレンジ、ご立派でした。
                               2023年6月30日記