日本のクラシック音楽黎明期に政府派遣の初の音楽留学生として海を渡り、ボストンに1年、ウィーンに5年学んで帰国後東京音楽学校教授に就任し、洋学普及のパイオニアとなった幸田延は、ピアニスト、ヴァイオリニスト、声楽家、そして日本人初のソナタ作曲家でもありました。
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 この方の存在の大きさに畏敬の念を抱き、妹のヴァイオリニスト、安藤幸(あんどうこう)とのダブル評伝『幸田姉妹』を出版させていただいたのは2003年でした。
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 その後、同書執筆時には解明しきれなかったさまざまなことも判明し、わたくし自身の視点も大きく開け、書き足りなかったことにも多々気づいて、新たな伝記の必要性を痛感するようになりました。そしてまったくの一から書き下ろし、このほど、ちょうど20年ぶりに、今度は延の単独伝記『幸田延』出版に漕ぎつけました。
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 出版元のヤマハミュージックメディアで、新刊紹介ページをアップしてくださいましたので、ご覧いただければたいへん嬉しく存じます。
 この20年間に調べ直したもろもろの情報、新たに判明したエピソードなども多々ご紹介いたしております。ほとんど延一人に焦点を絞り、明治日本の東京音楽学校を中心とした洋楽界の状況も考察し、延の東京音楽学校休職事件の真相究明にも務めました。
 https://www.ymm.co.jp/p/detail.php?code=GTB01097727


 幸田延の、世界初の単独伝記でございます。
 ご高覧、どうぞよろしくお願いいたします。
                                  2023年6月29日記