古典四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の鑑賞も、いよいよ後期に入りました。(とはいえ、作品18はまだなのですが)。今日は、第12番作品127と、大好きな第15番作品132を何度も聴かせていただきました。
IMG20221231214939_BURST000_COVER_20221231220037

 大晦日恒例のベートーヴェン弦楽四重奏曲9曲演奏会で拝聴した時の印象よりも、ひとつひとつの音の紡ぎ方が慎重と申しますか、万全を期したもののようになっていて、おとなの音楽づくりだと感じました。フィナーレが特に、これまで聴かせていただいた中で、もっともおとなしい、温和な演奏でした。
 とはいえ、精神性の高さ、崇高さは、実演も録音も隔てはございません。やはり圧巻は第3楽章です。リディア旋法による素朴な旋律がまじりけのないピュアな音で奏される気高さ、4者心をあわせて絶妙のバランスで奏でるコラールの美しさ、その中に息づく神への感謝の念の尊さに心を洗われました。
                                 2023年6月20日記