古典四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の鑑賞も、いよいよ後期に入りました。(とはいえ、作品18はまだなのですが)。今日は、第12番作品127と、大好きな第15番作品132を何度も聴かせていただきました。
大晦日恒例のベートーヴェン弦楽四重奏曲9曲演奏会で拝聴した時の印象よりも、ひとつひとつの音の紡ぎ方が慎重と申しますか、万全を期したもののようになっていて、おとなの音楽づくりだと感じました。フィナーレが特に、これまで聴かせていただいた中で、もっともおとなしい、温和な演奏でした。
とはいえ、精神性の高さ、崇高さは、実演も録音も隔てはございません。やはり圧巻は第3楽章です。リディア旋法による素朴な旋律がまじりけのないピュアな音で奏される気高さ、4者心をあわせて絶妙のバランスで奏でるコラールの美しさ、その中に息づく神への感謝の念の尊さに心を洗われました。
2023年6月20日記
大晦日恒例のベートーヴェン弦楽四重奏曲9曲演奏会で拝聴した時の印象よりも、ひとつひとつの音の紡ぎ方が慎重と申しますか、万全を期したもののようになっていて、おとなの音楽づくりだと感じました。フィナーレが特に、これまで聴かせていただいた中で、もっともおとなしい、温和な演奏でした。
とはいえ、精神性の高さ、崇高さは、実演も録音も隔てはございません。やはり圧巻は第3楽章です。リディア旋法による素朴な旋律がまじりけのないピュアな音で奏される気高さ、4者心をあわせて絶妙のバランスで奏でるコラールの美しさ、その中に息づく神への感謝の念の尊さに心を洗われました。
2023年6月20日記
コメント
コメント一覧 (2)
後期を一通り聴きましたが、素晴らしいですね。ことに、大みそかコンサートのライヴで出色の第14,16番に加え、大フーガ付きの第13番が今回の録音では光っているように思います。(私の好みでは、第12,15番はカルテット・エクセルシオの演奏がしっくりきます。)
お書きになっているように、ライヴに比べるとセッション録音はやや慎重な印象がありますが、スコアを追いながら聴くことでその表現の意図がより明確に伝わってくるという喜びがあります。後期四重奏の場合、20年前の録音との比較も興味が尽きません。たとえば第15番の場合、第3楽章が速く(19分2秒→16分55秒)、逆に第5楽章が遅く(6分57秒→7分12秒)なっています。十数分の第3楽章で2分余りの違いというのは相当に大きく、第5楽章ではよりロマンティックな表情を感じますが、これからよく考えていきたいと思います。萩谷さんのご意見もぜひうかがいたいところです、
ともあれ、カルテット・エクセルシオと古典四重奏団による日本人による二つの金字塔!これらの全集をじっくりと聴き込んでいけば、また新たな発見や感動が待っていることでしょう。実に贅沢な楽しみというほかありません。
yukiko3916
が
しました
フィデリオさまのような、感度の高い熱心なファンがいらっしゃることは、古典四重奏団、またエクセルシオの皆様にとって、どんなにか張り合いのある、嬉しいことかと思います。
本当によく、お聴きこみになられていらして、様々な発見をこの新録音からなさっておいでなのに感じ入りました。聴けば聴くほど奥の深い宝物を人類に贈り残したベートーヴェンと、それに命を吹き込む、わが国が誇る両カルテットに乾杯いたしましょう。
yukiko3916
が
しました