昨6月14日の晩、エリアスSQベートーヴェン・シリーズ最終回を無事聴き終えました。作品18-4ハ短調、作品74変ホ長調「ハープ」、そして最終回にふさわしく、オリジナル・フィナーレ「大フーガ」を具えた第13番変ロ長調作品130の3曲が演奏され、途中メンバーのおはなしもあったため、終演は21:30でした。6月5日の第2回のときに、差し替えフィナーレ・アレグロによる作品130も演奏してくださるという、念の入った全曲シリーズで、2種、聴きますと、ますます大フーガが名曲であることに思いが至ります。当時の方たちは、それほどびっくりされたのでしょうか。ちっとも奇異でも、退屈でもないのに。
 もちろん、エリアスの皆様の名演のおかげで、このフィナーレあってこそ、作品130の坐りがよいと痛感いたしました。
 聴き終えて、エリアスの皆様の熱演に感謝するとともに、この方たちに勝るとも劣らないカルテットが日本に存在することにも思いを馳せ、この印象が鮮明なうちに、今度はぜひその、わが国が誇るカルテット「古典四重奏団」で全曲聴きたいものだと考えておりましたら、何と何と、本日、古典四重奏団からこのたび発売の全集が届いたのでございます。
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 しかも、チェロ&作曲家の田崎さん編曲のピアノ・ソナタ嬰へ長調作品78『テレーゼ』の弦楽四重奏編曲のボーナスCDつきの豪華盤です。
 まっさきに『テレーゼ』聴きました。とても柔らかい響きにあふれていて、被献呈者のテレーゼ・ブルンスヴィックの人柄が偲ばれるかのようでした。
 今は、ラズモフスキーの3曲を繰り返し聴かせていただいております。練り上げた響きの名演でありますことは申すまでもございません。
                                2023年6月15日、コルトー忌に記