今、ますます充実の季節を迎えていらっしゃる超実力派ピアニスト、小菅優さんの新しいシリーズ演奏会が昨晩のオペラシティ公演よりスタートいたしました。ソナタ・シリーズvol.1「開花」と名づけられたこのシリーズは、ピアノ音楽の根幹ともいえる、ソナタ を真正面から取り上げて、多くの国と幅広い時代に亘る、多種多様なソナタを、1回1回、確かな切り口で掬い取って組み合わせていくというコンセプトでいらっしゃるようです。
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 第1回の昨晩は、前半が、J.S.バッハのソナタ ニ長調BWV,963、ベートーヴェンの選帝侯ソナタ第2番ヘ短調、WoO47-2、プロコフィエフの第1番ヘ短調、後半がブラームスの第3番ヘ短調。
 バッハからプロコフィエフまで、200年余にわたる時空をソナタという一本の矢で貫きながら、各作曲家の書法、表現特性、当時の楽器性能などへの鋭い考察の反映された、それぞれ異なるアプローチであったことに、小菅さんの勉強の深さを感じました。
 そして、アンコールがまた素敵でした。
 ベートーヴェンの番号付きのほうのソナタ1番の第2楽章です。
 このソナタもヘ短調です。第2楽章はヘ長調ですが、この日はバッハを除き「F」の音をチェーンとしたネックレスのようなプログラムだったわけでございます。
                                 2023年3月24日記