本日は東京文化会館大ホールで開催された、小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩⅨ G.プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」を鑑賞させていただきました。指揮のディエゴ・マテウスは、このシリーズの前回に「こうもり」を振られたマエストロで、その演奏が、小澤征爾音楽塾の特質をよく理解した者であったことから、今回の登板となられました。オーケストラは、2000年6月に、小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトのために結成された、「小澤征爾音楽塾オーケストラ」。演出はデイヴィッド・ニース。
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 歌手陣は、ミミのエリザベス・カバイエロ、ロドルフォのジャン=フランソワ・ボラス、ムゼッタのアナ・クリスティ、マルチェッロのデイヴィット・ビズィック、ショナールのデイヴィット・クロフォード、コッリーネのウィリアム・トマス、ベノワ、及びアルチンドロ二役のフィリップ・ココリノスと、みなさん海外から招請された方々です。
 ミミのカバイエロさんは1幕の大事なアリアが不調でいらして、大変心配いたしましたが、そのあとはまずまずに歌われました。ロドルフォのボラスさんはご立派な体格からお無理なく良いお声を出されておられました。マルチェッロのビズィックさんの歌唱は、歌唱技術、声量、表現力の3拍子揃った、ピカ一のお歌でした。
 カーテンコールの2度目に、会場にざわめきが走りました。何と、下手から、車いすに乗られた、赤っぽいコスチュームの小澤征爾マエストロのご登場です。介添えの方にぐるりとステージ上を回っていただかれ、中央で盛んな拍手を受けておられました。よくぞ、姿をみせてくださったものと思います。
                                2023年3月23日記