ドイツ在住のピアニスト、河村尚子さんが、第51回サントリー音楽賞を受賞され、その記念として、まず1回目の室内楽演奏会がサントリーホール・ブルーローズ開かれた記事は先日書かせていただきましたが、第2回の協奏曲演奏会が昨3月13日の晩、大ホールで開催されました。協演は、山田和樹指揮、読売日本交響楽団です。
 河村さんは、後半にはお得意のブラームスの2番を選ばれ、前半には、コロナ禍にさまざまな研究深めるうちにお知りになったという、アメリカの女性作曲家、エイミー・ビーチ(1867-1944)のピアノ協奏曲嬰ハ短調を取り上げられました。
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 もう1曲、同じビーチの『仮面舞踏会』と題された、オーケストラのワルツが幕開けに山田マエストロと読響によって演奏されました。
 この、序奏付き、ポプリ形式で書かれた南国的なワルツからもビーチの才能は明らかで、次なるピアノ協奏曲への関心がぐっと、高まりました。
 ビーチの協奏曲は、ブラームス2番ばりに、4つの楽章を持つ大作で、ピアノの名手だったというビーチらしい、随所でソロが豪快なダブル・オクターヴで駆け巡るエキサイティングな曲でした。このダブル・オクターヴの多用も、ブラームス好みです。
 一方、第4楽章ではオーケストラのチェロ・トップ、つまり遠藤真理さんと抒情的なデュオも聴かせてくださいました。
 これほどの名曲、是非、皆様にもお聴きいただきたく、動画を探して見つけました。
 
(82) Amy Beach – Piano Concerto - YouTube

 どうぞ、お聴きになられてみてくださいませ。
                                                                                      2023年3月14日記