萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2025年08月

 本日、先頃『田邊稔の日本フィル物語』を上梓された、元日本フィル理事長の田邊稔さんの出版記念パーティーに出席させていただきました。実はちょうど本日が田邊さんの91歳のお誕生日だそうで、おめでたいことが二つ重なり、現平井理事長による乾杯の発声も、お誕生日祝い…
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 8月最後の土曜日の本日、銀座ヤマハホールで、イギリスが誇るクラリネットの巨匠マイケル・コリンズさんの、クラリネット五重奏コンサートを聴いてまいりました。たいへん贅沢なことに、古今のクラリネット五重奏曲の双璧、モーツァルトとブラームスを堂々と前半、後半に置…
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 昨日の続きです。近藤譲さんのオペラ『羽衣』は1994年6月、フィレンツェ・テアトロ・ベルゴラで、フィレンツェ五月音楽祭の一環として、ロバート・ウィルソンの演出により初演されました。劇場からの依頼の趣旨は、日本の能の台本による2つの短編オペラの上演というもので…
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 サントリー音楽賞を受賞された作曲家、近藤譲さんのオペラ『羽衣』を本日、拝見いたしました。賞の母体のサントリー芸術財団は、1969年の創設以来、日本の洋楽発展に最も顕著な功績のあった個人または団体に「サントリー音楽賞」を贈賞されてきました。第55回(2023年度)…
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 本日8月27日午後、目黒区三田2丁目のポーランド共和国大使館で、この10月に開催される第19回ショパン国際ピアノ・コンクールの広報会見が開かれました。ポーランド共和国では、このコンクールにたいへん力を入れていますが、それと並行して、現在大阪で開催中の万国博覧会…
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 昨日8月24日、サントリーホールで、外山啓介さんのピアノ・リサイタル「幻想」の第一部をお聴きいたしました。本来でしたら、もちろん第二部も聴かせていただきたかったのですが、都合でやむなく、第一部のみ、とお断りした上で、ご快諾いただいて聴くことができました。 …
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 本日、サントリーホール サマーフェスティバル「テーマ作曲家」ジョルジュ・アルぺギスの「室内楽公演」をお聴きしました。サントリーホールのサマーフェスティバルは開館翌年の1987年から継続されてきた現代音楽の祭典です。 今年の「テーマ作曲家」に選ばれたジョルジ…
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 本夕(8月23日18:00~)、サントリーホールで東京交響楽団第733回定期演奏会をお聴きいたしました。指揮者はイギリスのアダム・ヒコックスさん。ケンブリッジ大学で作曲と理論を学び、王立音楽院で指揮を学んだ29歳。指揮者デビューは2019年。同年から2022年まで、ラハフ・シ…
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 今朝のラジオで、占守島の戦いを生き延びられた高橋昇一氏103歳のお話を聴きました。日本がポツタム宣言を受諾して、昭和天皇の敗戦のお言葉が全国放送された1945年8月15日を境に、戦争がぱったり止んだわけではないことは知っておりましたが、そのもっとも悲惨な例の一つ…
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 2005年に出版した拙著『音楽史を彩る女性たち~五線譜のばら2』は12篇の女性音楽家の評伝のオムニバス集ですが、その中に、フランスのブーランジェ姉妹を採り上げております。姉のナディアは20世紀最大の作曲教師、妹のリリーはフランスの音楽家の登竜門ローマ大賞の初の女…
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 今日は、小林武史先生の奥様からお送りいただいた記念盤のうち、小品集「ファンタジア」を聴きました。2003年6月に、三鷹市芸術文化センターでセッション録音したもので、ピアノは、武史先生と25年来コンビを組む、スロヴァキア出身のパヴェル・コヴァーチさん。「タイスの…
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 今年の5月19日、尊敬するヴァイオリニスト、小林武史先生が94歳で亡くなられました。昨年まで毎年、ピアノの野平一郎先生とのしみじみと心に通うリサイタルを聴かせてくださっておられ、今年もお聴き出来たら嬉しいと思っておりましたのに、まことに残念でございました。 …
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 昨日の続きです。8月17日に日本の長野県松本市で初演された、ロラン・ペリーさん、演出・装置・衣裳によるブリテンのオペラ『真夏の夜の夢』は、16世紀の天才シェイクスピアの人間観察力とそれに基づいて描き出した人の心の明暗を、20世紀の天才ブリテンが受け継いで、それ…
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  8月11日から9月9日までの日程で開催中の2025セイジ・オザワ 松本フェスティバルへ出掛けてまいりました。このフェスティバルでは30日間に亘る会期中に、オーケストラ・プログラム、室内楽プログラム、教育プログラムなど様々な公演が開催されます。オペラ公演は、2022年の…
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 尊敬してやまないオケマン、田邊稔氏がご本を出版されました。田邊氏は日本フィルハーモニー交響楽団の首席コントラバス奏者としてオーケストラの縁の下の力持ちを長く務められたあと、運営委員長、専務理事、そして理事長を歴任され、公益社団法人日本オーケストラ連盟の…
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 1945年8月15日の意味は、それぞれの立場によってさまざまに異なったことでしょうし、この日を境にぴたりと戦争が終わったわけではなかったことが、現在の歴史認識では明らかになっています。例えば、当時日本領だった樺太には8月20日にソ連軍が上陸するというので、予想さ…
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 ブラームスの4つの交響曲のうち、やはりもっとも演奏機会の多いのは第1番ハ短調でしょう。コンサートのプログラム解説でもこの名作の解説を書く機会が多いのですが、この周到に作られた音楽作品の構造や特質を言葉で説明するのに難儀し、また書くたびに、新しい気付きもご…
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 昨日ご紹介した、イリーナ・メジューエワさんの『子供のアルバム』ですが、最初に収録されているチャイコフスキーの『子供のための小品』の中に、お人形関連の連作がいくつかあります。それは、『新しいお人形』、「お人形のお葬式」といった曲です。 わたくしは昔、子供の…
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 イリーナ・メジューエワさんの最新盤『子供のアルバム』が届きました。イリーナさんが幼年時代に出会って幼い心を揺さぶられ、時には涙した思い出の曲たちがぎっしり詰まった、ロシアの子供小品の玉手箱です。チャイコフスキー、プロコフィエフ、ハチャトゥリアン、ミャス…
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 芥川賞、谷崎潤一郎文学賞はもとより大きな文学賞を多数受賞され、居住地ドイツでも、ゲーテ・メダル、クライスト賞、アメリカでも全米図書鑑賞などに輝く、多和田葉子さんの台本、わが国屈指の作曲家、細川俊夫さんの作曲、ドイツの気鋭演出家、クリスティアン・レートさ…
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