萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2025年05月

 昨晩(5月30日)、新国立劇場 ロッシーニ『セビリアの理髪師』を拝見してまいりました。オーストリアの演出家、ヨーゼフ・ケップリンガー演出によるこのプロダクションは、2005年、06年、12年、16年、20年に次いで今回が6回目。まず舞台の造りが秀逸。中央階段の左右に部屋…
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 2024年10月18日の本ブログに、ヴァイオリニストの吉田南さん、ステージネーム=MINAMIさんがベルリン・フィルのオーディションに合格され、2025年の秋のシーズンから正式メンバーとなられることが決まった旨を、ご報告いたしましたが、先刻、彼女の所属事務所から、このほど…
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 ウィーン少年合唱団の初来日は昭和30(1955)年。来日70周年となる今年も、4月~6月、彼らの来日公演が全国各地で開催されています。本日は、東京オペラシティコンサートホールでの3度目の公演でした。2004年から、この合唱団の来日公演のプログラム解説をすべてお引き受けし…
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 中島裕康さんは東京藝術大学出身の若手筝奏者。2016年に初の単独リサイタルを開催されて以来、意欲的なリサイタルを重ね、ほかに和楽器アンサンブル、現代音楽の新作初演、新作歌舞伎などでも活躍されておられます。 以前には、邦楽器四重奏団の演奏会を拝聴し、よくお弾…
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 明治27年から28年、日本と清国は朝鮮半島の支配権をめぐって戦いました。よその国を、別の2つの国のどちらが手に入れるかで争うなどとは、それ自体、論外ですが、ともかくも、この日清戦争では日本が勝利を収めて下関講和条約が締結されました。その内容は次のようなもので…
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 5月24日の東京交響楽団第730階定期演奏会に、2021年第18回ショパン国際ピアノコンクール第3位のマルティン・ガルシア・ガルシアさんが登場され、ショパン、ではなく、リストのピアノ協奏曲第1番を明るい音色とおおらかな芸風で溌溂と独奏されました。指揮は沼尻竜典さん…
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 昨日(5月24日)昼は、東京文化会館小ホールで、深沢亮子先生のピアノ・リサイタルを拝聴いたしました。このホールの座席数は649席ですが、ほぼ満席でしたので、深沢先生人気に今更ながら驚き入りました。プログラムはお得意のオール・モーツァルト。 幻想曲ニ短調から幕が…
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 昨晩(5月23日)サントリーホールで開催された新日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会では、世界的オーボエ奏者・指揮者のハインツ・ホリガーさんが独奏者も務めた上、指揮台にも立たれ、没後80年のバルトークを悼むプログラム他を熱演されました。 今年は戦後80年で…
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 まだだいぶ先のお話ですが、11月30日に東京オペラシティコンサートホールで「3大ピアノ協奏曲の響演」と銘打ったコンサートが開催されます。ここでいう「3大ピアノ協奏曲」とは、ショパンの1番ホ短調、チャイコフスキーの1番変ロ短調、ラフマニノフの2番ハ短調の3作。い…
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 現在、新国立劇場ではプッチーニの『蝶々夫人』がかかっておりまして、昨日(5月21日)、拝見してきました。栗山民也演出による、舞台下手に幅広い階段が弧を描いてセットされているのが特徴のこのプロダクションを拝見するのは、2017年、2019年、2021年に続く4回目です。い…
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 昨日5月20日、浜離宮朝日ホールのランチタイムコンサートvol.250として、堀米ゆず子さんのヴァイオリン・リサイタルが開かれました。前半は、モーツァルトのト長調ソナタ、ベートーヴェンの5番『春』を加藤洋之さんのピアノで。後半は、イザイの無伴奏ソナタ第5番と」、加…
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 本日5月20日は、クララ・シューマンのご命日です。 クララが76歳と8カ月の生涯を閉じたのは1896年の本日、午後4時21分。来年が没後130年になります。近年は作曲家クララに以前に増して光が当たるようになり、作品の演奏機会が増えています。 たとえば、6月14日に東京の秋…
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 5月18日、第30回宮崎国際音楽祭が、ベートーヴェン第九「苦悩を突き抜けて歓喜にいたれ』演奏会をもって、大盛況理に閉幕しました。宮崎国際音楽祭管弦楽団の指揮は、ソウル生まれの世界的指揮者、マエストロ・チョン・ミョンフン。160名近い地元の合唱団、高校の合唱部な…
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 エリザベート王妃国際コンクール、セミ・ファイナル結果が先ほど発表されました。5月26日からのファイナルに進出の決まった12名のうち、4名が日本人です。ファイナルまで少し日数があるのは、その前の約1週間、全員が外部との連絡を絶ったチャペルにスマートフォンもパソコ…
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  宮崎県宮崎市の宮崎県立芸術劇場をメイン会場として、基本的に毎年4月から5月に開催されている宮崎国際音楽祭が今年第30回を迎えました。この音楽祭は、徳永二男氏が1996年から総合プロデューサー、2011年からは音楽監督を務め、数々の試練を乗り越えて西日本有数の音楽祭…
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 5月15日の晩、東京文化会館小ホールで、桐朋出身、ケルン音楽大学、ローザンヌ音楽院、ドレスデン音楽大学に学ばれた植村理葉さんのヴァイオリン・リサイタルをお聴きいたしました。ピアノは、名手、岡田博美さんです。 下記のプログラムが演奏されました。 ●モーツァル…
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 昨晩、5月14日、19:00より、オペラシティコンサートホールで、別府アルゲリッチ音楽祭・水戸室内管弦楽団共同制作の『室内オーケストラコンサート」が開かれました。広上淳一マエストロの指揮で、前半にシューマンの交響曲第2番、後半に、マルタ・アルゲリッチさん独奏の…
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 昨5月13日の晩は、すみだトリフォニーホールで、ミシェル・ダルベルト 来日40年記念リサイタルを拝聴いたしました。ダルベルトさんは1955年6月2日生まれ。1968年からパリ国立高等音楽院のヴラド・ペルルミュテールのクラスで学ばれました。1975年、クララ・ハスキル国際コ…
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 一昨日、5月11日の午後、代々木上原のムジカーザで「中山良夫 無伴奏ヴィオラ・リサイタル ~5弦ヴィオラの響き~」が開催されました。中山良夫先生は1949年千葉県生まれ。8歳からヴァイオリンをはじめ、1968年に東京大学に入学され、東大オーケストラで、ヴァイオリン、…
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 ベルギーで開催されているエリザベート王妃国際音楽コンクール・ピアノ部門の第一次予選が10日に終わり、60名の出場者が24名に絞られました。先日お伝えいたしましたように、60名中、日本人は6名おられ、何と、6名全員が予選を通過なさいました。もう一度お名前をあげ、…
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