萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2025年03月

 倉本朋幸さんの台本・演出の、劇団オーストラ・マコンドー公演『影のない女』を、昨日、吉祥寺シアターで拝見いたしました。原作はもちろん、フーゴー・フォン・ホーフマンスタール&リヒャルト・シュトラウスの黄金コンビによる1919年初演のオペラですが、それを踏まえて倉…
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 3月29日、神奈川県立音楽堂で開催された、エベーヌ&ベルチャ弦楽四重奏曲公演のあと、サントリーホールへ向かい、東京交響楽団第728回定期演奏会をお聴きいたしました。1曲目のニールセン、序曲『ヘリオス』には間に合いませんでしたが、2曲目のベートーヴェン、ピアノ協奏…
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 世界屈指の弦楽四重奏団、ベルチャ・クァルテットと、エベーヌ弦楽四重奏団が日本で顔合わせをして、ダブル・クァルテットによる弦楽八重奏公演を相次いで開催しました。3月28日のトッパンホール公演と3月29日の神奈川県立音楽堂公演を両日拝聴して、この8名の方々の音楽へ…
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 東京・春・音楽祭では例年、ワーグナーの楽劇シリーズを演奏会形式で上演してきましたが、今年はその最終作『パルジファル』が採り上げられました。2公演のうち、1回目の公演を3月27日に拝見しました。■出演指揮:マレク・ヤノフスキ管弦楽:NHK交響楽団 (コンサートマス…
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 TOPPAN Hallが、エベーヌ弦楽四重奏団とベルチャ弦楽四重奏団という世界的な弦楽四重奏団2団体による三夜連続公演の幕を開けました。その第一夜、エベーヌ弦楽四重奏団公演を昨3月26日の晩、拝聴してまいりました。エベーヌ弦楽四重奏団は1999年、フランスに創設されたカル…
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 上野の杜一帯では、ただいま、東京・春・音楽祭2025 が進行しています。昨3月25日の晩は、東京文化会館諸―ホールで、『金川真弓(ヴァイオリン)、ベン・ゴールシャイダー(ホルン)、ジュゼッペ・グァレーラ(ピアノ)』公演を拝聴いたしました。   ヴァイオリン、ホルン…
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 昨年の夏、ヴァイオリニスト、HIMARIさんにお会いして、近況をうかがう機会がございました。そのインタビュー記事は『音楽の友』2024年8月号に掲載されておりますが、そのときの話題の一つに、2025年3月にベルリンフィルの定期演奏会にデビューが予定されている、というビ…
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 3月22日、土曜日、14:00開演のサントリーホール公演、久石譲指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団、メシアン『トゥーランガリラ交響曲』を聴きました。20世紀フランスを代表する作曲家の一人、オリヴィエ・メシアンがサンスクリッド語(梵)“Turaṅga”と“Līlā”にか…
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 3月21日夕刻、ミューザ川崎シンフォニーホールで、サー・アンドラーシュ・シフ&カペラ・アンドレア・バルカ J.S.バッハのピアノ協奏曲 6曲演奏会を拝聴いたしました。カペラ・アンドレア・バルカと言うのは、かつて1999年から2005年にかけてのザルツブルク、モーツァルト…
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 3月21日午後、トッパンホールの開場25周年を記念する記者発表会見がございました。このホールは、ちょうど世紀の変わり目を迎えようとする直前の、2000年10月にオープンし、この四半世紀の間、さまざまな前向き、かつユニークな企画公演を音楽ファンに提供してきました。親…
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 3月20日、東京文化会館で開催された、小澤征爾音楽塾のオペラ公演、ヴェルディ『椿姫』を拝見しました。主役3人と、ヴィオレッタの親友フローラ、アルフレードをヴィオレッタに引き合わせたガストン子爵に外国人歌手を招き、その他は日本人歌手というキャストです。管弦楽…
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 2025年3月19日は、全国的に天気が大荒れでした。そんな中、10:00、ともかくも小平中央公民館にたどりつきましたら、メンバーの皆様が、きっとそれぞれ、ご苦労の足を運んでくださったに違いございませんのに、何事もなかったようにお顔を揃えていらしてくださり、もう、あ…
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 応援してくださる皆さまのおかげをもちまして、本日の小平楽友サークル講座で、カルロス・クライバー指揮、オットー・シェンク演出のシュトラウス2世『こうもり』を無事に鑑賞いたしました。まことに、ありがとうございました。19世紀後半の、さまざまなひずみ抱えながら急…
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 本夕(3月18日)、紀尾井ホールで辻彩奈さんのヴァイオリンリサイタルをお聴きしてまいりました。ピアノは、ストラスブール出身、パリ音楽院でジャン=クロード・ペヌティエに師事したエマニュエル・シュトロッセさん。ソリストでもある、室内楽の名手です。辻さんは2019年、…
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 3月5日からスタートしている小平楽友サークル講座 vo.31.2025年3月から7月全10回シリースは「今年が記念年の音楽家たち」です。本年2025年は生誕、没後とりまぜて、多くの音楽家たちの記念年にあたります。 ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)の生誕200年。クライスラ…
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 昨晩(3月15日)、サントリーホールで、読売日本交響楽団 ヴァイグレ指揮 演奏会形式 ベルク『ヴォツェック』を拝聴いたしました。各幕30分前後の全3幕を休憩なしの一気上演、約95分の緊張感に貫かれた公演は、一瞬も目の離せない名舞台でした。 ヴァイグレのテンポはき…
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 昨晩(3月14日)、東京春音楽祭の一環として東京文化会館小ホールで開催された『ベルリン・フィル・メンバーによる室内楽』公演を聴かせていただきました。ヴァイオリンのアレクサンター・イヴィッチさん、チェロのオラフ・マニンガーさんがベルリン・フィルのメンバーで、…
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 昨3月13日の晩、オペラシティコンサートホールで、群馬交響楽団東京定期演奏会を拝聴いたしました。指揮は常任指揮者の飯森範親さん。群響のソロ・コンサートマスターは伊藤文乃さんです。 前半はワーグナー/楽劇《トリスタンとイゾルデ》から「前奏曲」「愛の死」。『前…
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首席指揮者のアンドレア・バッティストーニさんが右肩前方脱臼からの回復が遅れておいでとのことで、指揮者の交代が発表され、1987年横浜生まれ、5歳から米国育ちというケンショウ・ワタナベさんが急遽、指揮台に立たれました。昨晩は、3公演のうちのオペラシティ公演を拝聴…
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 時折、お伝えしている、イリーナ・メジューエワさんのショパン・コンプリート全集の一環として、今月は「マズルカ集」2枚組がリリースされました。今、お聴きしながらこれを書いておりますが、ひとことで感想を申しあげるなら、ポーランドの中南部各地の土着の舞曲であった…
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