萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2024年11月

 本日11月30日午後、サントリーホールで開催された日本フィルハーモニー交響楽団 第766回東京定期演奏会で、ポーランドの新星指揮者がアジア・デビューを飾りました。ハヴェウ・カプワさんというマエストロです。 曲目は、前半にブラームスのピアノ協奏曲第2番、後半に、…
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 古楽演奏家の寺神戸亮さんの主宰する、古楽総合演奏団体レ・ボレアードは、1995年のパーセルのオペラ《ダイドーとエネアス⦆以来、こんにちまで、30年近くにわたり、守備範囲とされる多彩な作曲家の作品と生涯をメインに据えた、鑑賞機会の少ない佳品を採り上げてこられま…
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 11月28日、19:00より、サントリーホールを会場として、2023年のチャイコフスキー国際音楽コンクール、ピアノ部門第2位、ジョージ・ハリオノさんの協奏曲日本デビュー演奏会が開かれました。彼がコンクールの本選で弾いた、チャイコフスキーの1番と、ラフマニノフの2番を演…
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 本日11月28日、新国立劇場 新制作のロッシーニ『ウィリアム・テル』を拝見いたしました。ご存知の方も多いかとは存じますが、1792年生まれのロッシーニは、10代後半から速筆のオペラ作曲家として売れっ子となり、21歳の『セビリアの理髪師』によって名声をゆるぎないもの…
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 都響のお顔の一人、オーボエの広田智之さんがニュー・アルバムをリリースされました。タイトルが『美しい夕暮れ』だったので、小品集かと思いましたら、プーランクのソナタ、及び、ファゴット入りの三重奏曲、も巻頭に収録されています。小品としては、ドビュッシー、フォ…
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 本夕(11月26日)、サントリーホールで、サイモン・ラトル指揮 バイエルン放送交響楽団 のブラームス・プログラムを拝聴いたしました。前半は、チョ・ソンジンさんのソロで、ピアノ協奏曲第2番変ロ長調。冒頭、ホルンに続くピアノのフレーズを、ソンジンさんはおおらかに…
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 昨11月24日、サントリーホールで、日本フィルハーモニー交響楽団 第408回 名曲コンサートを拝聴いたしました。指揮は、同団の首席指揮者を2016年から23年まで務め、在任中には同団を率いての、フィンランド、ドイツ、オーストリア、イギリス演奏旅行を成功させた、フィン…
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 本日11月24日は「オペラ記念日」なのだそうです。そのいわれは、明治27(1894)年の11月24日、東京音楽学校の奏楽堂で、明治以降初めて、日本でオペラが上演された日だからというものです。「明治以降初めて」との但し書きがついているのは、キリスト教禁止令前の江戸時代初…
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 11月2日、サントリーホールで開催されたマティアス・ゲルネ&マリア・ジョアン・ピリスのシューベルト『冬の旅』は、一夜限りの顔合わせであったばかりではなく、ピリスさんの今回の来日での唯一のコンサートになりました。 その公演レポートが、ヤマハのウェブページにア…
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 本日11月22日は、日生劇場で、藤原歌劇団創立90周年記念公演の一環、ドニゼッティの『ピーア・デ・トロメイ』を拝見してまいりました。タイトルは「トロメイ家のピーア」の意です。皇帝派のトロメイ家のネーロに嫁いだ清純なピーアが、実弟で教皇派のロドリーゴの脱獄に手…
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 ベートーヴェンの第九は、1824年5月7日に、ウィーンのケルントナートーア劇場で初演されました。それから200年の節目に当たる、今年2024年5月7日、ウィーンのムジークフェラインザールで、リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルが、第九200周年記念公演を開き、チケッ…
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 昨晩(11月19日)、サントリーホールで、アンドレア・バッティストーニ指揮 東京フィルハーモニー交響楽団 マーラー:交響曲第7番『夜の歌』を拝聴いたしました。マーラーの交響曲の中では上演機会が少ないながら、マーラーの意図をめぐってさまざまな解釈のなされる重要…
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 小平楽友サークルでは、今年度1年をかけ、みんなでワーグナー『ニーベルングの指環』を踏破中です。そのことは、本ブログでも何度かお知らせしてまいりましたが、明日の11月20日の講座では、いよいよ、第四作『神々の黄昏』鑑賞が最後まで行き着き、ヴァルハラの炎上、神々…
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 メジューエワさんの、新レコーディングによるショパン全曲シリースの第5弾は、『CHOPIN 18Waltzes』です。録音日は2024年の3月と6月。会場はいつもの、富山県魚津市の新川文化会館。 楽器は1925年製ニューヨーク・スタインウェイ。 1番のワルツは、この楽器の持てる音と…
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 ジェイムズ・エーネスさんは1976年カナダ生まれのヴァイオリニスト。4歳からヴァイオリンを始め、9歳のときからフランシス・キャプランに師事し、11歳でカナダ音楽コンクールで優勝されました。モントリオール交響楽団とのコンチェルト・デビューは13歳のとき。1993年、17…
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 昨日11月15日、浜離宮朝日ホールのランチタイムコンサートにうかがい、ヴィオラの川本嘉子さんとピアノの矢野雄太さんのデュオ・リサイタルを拝聴してまいりました。感情表現のゆたかな川本さんのヴィオラは大好きで、以前からよくお聴きしてきましたが、矢野さんというピ…
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 昨晩、東京オペラシティコンサートホールで東京シティハーモニック管弦楽団の第374回定期演奏会がございました。小林研一郎マエストロが振られるというので、珍しいことと思いましたら、何と1998年以来26年ぶりに同管の指揮台に立たれたのでした。 曲は、マエストロの十八…
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 昨11月13日の晩、サントリーホールでアンドリス・ネルソンス指揮 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の演奏会を聴いてまいりました。前半は、イェフィム・ブロンフマン独奏による、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番ハ短調、後半はリヒャルト・シュトラウスの『英雄の生涯…
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 かねてから、フレデリック・ジェフスキの作品を弾き続けてこられたピアニストの大瀧拓哉さんが、これまでの集大成として2枚組アルバムをリリースされました。ジェフスキは1938年生まれ、2021年6月26日に没したアメリカの作曲家。代表作『不屈の民』変奏曲は、1975年に、ベ…
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 江東区亀戸文化センターの後期講座として、『没後100年記念・プッチーニの生涯と作品の魅力』が本日よりスタートいたしました。19:00からの講座ですので、いつもならいずれかのホールでコンサートを拝聴している時間にお話をさせていただいて、ちょっと不思議な気分です。…
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