萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2024年10月

 10月最後の本夕、バッハ・コレギウム・ジャパンの第164回定期演奏会にまいりまして、「バッハからメンデルスゾーン=バルトルディへ」、すなわち、B to Bのコンサートを聴かせていただきました。10月31日と申しますと、ハロウィンの日として有名ですが、1517年のこの日は、…
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 本日午後、ルネこだいらレセプションホールに於きましての、片寄純也さんをお招きしてのレクチャー・コンサートが、おかげさまで無事に終了いたしました。快くご来演くださいました、わが国を代表するワーグナー・テノール歌手の片寄純也さまと、彼が全幅の信頼を置くピア…
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 昨10月28日の晩、トッパンホールで、アンドレアス・シュタイアー フォルテピアノ リサイタルを拝聴してまいりました。フォルテピアノの第一人者、シュタイアーさんは、1955年ゲッティンゲン生まれ。ハノーファー音楽大学でピアノとチェンバロを学ばれた後、アムステルダ…
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 今から75年前の本日、パリ発ニューヨーク行のエール・フランス航空のコンステラシオン機に何らかの異変が起こりました。同機は、大西洋上、ポルトガル領アゾレス諸島のサン・ミゲル島のサンタマリア空港に緊急着陸を二度試みて果たせず、同島の山の斜面に激突しまし、大破…
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 本日はサントリーホールで、広上純一マエストロの指揮による日本フィルハーモニー交響楽団 第407回名曲コンサートを聴いてまいりました。最初に長井浩美さん独奏のオルガン独奏曲が3曲あり15分休憩ののち、演奏時間約84分のヴェルディ『レクイエム』が朗々とホールに満ち…
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 本日、紀尾井ホールを会場として、徳永二男「私の名曲」第7回~喜寿記念演奏会~が開催されました。喜寿と言えば、「喜」の字の草書体が七・十・七の組み合わせであることから、77歳のお祝いの歳をさします。NHK交響楽団コンサートマスター時代から、若々しく精悍な風貌の…
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 ベアーテ・シロタさんは、ウクライナのキーウ出身のユダヤ人ピアニスト、レオ・シロタの娘として1923年10月25日、ウィーンで生まれました。母は、同じくキーウ出身、ユダヤ人アウグスティーネ。父親のシロタはブゾーニの弟子で、その卓越した演奏技巧から、「リストの再来…
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 第1ヴァイオリンの西野ゆかさん、第2ヴァイオリンの北見春菜さん、ヴィオラの吉田有紀子さん、チェロの大友肇さんを現メンバーとする、クァルテット・エクセルシオが結成30年を迎え、その記念公演の一つとして、同クァルテットに縁の深かった、作曲家・弦楽四重奏研究家で…
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 2002年、第75回アカデミー賞主要3部門を受賞した名匠ロマン・ポランスキー監督の映画『戦場のピアニスト』は、第2次世界大戦中のポーランドを舞台として、戦火の中、苛酷な状況に耐えて生き抜く、ユダヤ系ポーランド人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの実話をも…
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 本日10月22日午後、東京オペラシティコンサートホールで、牛田智大さんとカルテット・アマービレ+コントラバスの加藤雄太さんの協演による。ショパンの二つのピアノ協奏曲の室内楽版を拝聴してまいりました。 ロシア圧政下のポーランドに生まれたショパンは、幼少から楽才…
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 ドイツ語・ドイツ文学研究者の早坂七緒先生は、少年時代にピアノを習われたことはあられたものの、長らくご本業の中央大学理工学部教授がご多忙で、ピアノをお弾きになられることはなかったのですが、近年、お手の大きさに合った細幅鍵盤ピアノを入手されてから、独力で大…
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 本日、サントリーホールでパシフィックフィルハーモニア東京 第170回定期演奏会を聴いてまいりました。指揮は同フィルの飯森範親音楽監督。プログラムは以下のような、かなり珍しい組み合わせでした。 キャロライン・ショウ:間奏曲 弦楽オーケストラ版(日本初演) プ…
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 本夕は、BS松竹にて、1977年の名作「八墓村」を鑑賞いたしております。横溝正史原作のこの物語の主人公、寺田辰弥(萩原健一)は首都圏空港に誘導員として勤務する真面目な青年です。ある日、彼は新聞尋ね人欄が心に残り、大阪北浜の法律事務所を訪ねます。すると、依頼人らし…
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 本日先ほど、音楽事務所のアスペンさまから速報をいただきました。アスペン所属のヴァイオリニスト、吉田南さんがオーディションに合格され、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団に第1ヴァイオリン奏者として入団が決まったとのことです。ベルリン・フィル・メンバーとして…
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 昨日の記事で、今年度の小平楽友サークルが、1年がかりで『ニーベルングの指環』登山中であることをお伝えしましたが、その9合目にあたる10月30日、水曜日の講座は、わが国屈指のヘルデン・テノール、片寄純也さんによる一般公開ライヴ・コンサートを開くことを今日はお知…
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 本日10月16日は、小平楽友サークル講座、1年がかりですべてを知る企画『ニーベルングの指環』の第4作『神々の黄昏』第1幕から第2幕に入るあたりまで、じっくり鑑賞いたしました。第1幕第3場は、ブリュンヒルデの岩山です。 熱愛の末に結ばれた夫ジークフリートを、ライン…
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 10月も半ばを迎えた10月15日、本夕、東京オペラシティコンサートホールで、ギリシャ生まれのヴァイオリニスト、レオニダス・カヴァコスさんと、6人のお仲間による、バッハのヴァイオリン協奏曲、真正2曲+、チェンバロ協奏曲からのヴァイオリン&弦楽合奏編曲版2曲、計4曲の…
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 半世紀近くをメキシコで過ごされ、1980年メキシコ市に「アカデミア・ユリコ・クロヌマ」を開設して多くの弦楽器奏者を育ててこられたヴァイオリニストの黒沼ユリ子先生は、2014年、74歳で帰国なさって以降、外房の御宿(おんじゅく)にお住まいです。そして、この地に建てた…
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 昨日10月12日、サントリーホールで東京交響楽団の第725回定期演奏会を拝聴いたしました。指揮は1982年ポーランド生まれのクシシュトフ・ウルバンスキ。2009年に同団に初登場以来、たびたび客演して、そのたびに、興味深いプログラムを聴かせてくださっています。リハーサル…
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 昨日 10月11日の晩、トッパンホールで開催された、小森輝彦&宮﨑貴子 リート・デュオ Vol.4 を拝聴いたしました。民謡、バラード、そして芸術歌曲 を副題に掲げ、ドイツ・リートの3つの側面に焦点を当てた、意義深いコンサートでした。「音楽の友」誌に批評を書くこと…
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