萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2024年08月

 8月30日夕刻、浜離宮朝日ホールでエヴァ・ゲヴォルギャン ピアノ・リサイタルをお聴きしてまいりました。2004年、ロシア生まれの若いピアニストです。2021年の第18回ショパン国際ピアノ・コンクールのファイナリストになられたことで、一躍お名前を轟かせました。でもそれ…
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 昨年1月、84歳で急逝された、カルテット研究の第一人者、幸松肇氏は作曲・編曲も手掛けておられ、ことにカルテット・エクセルシオには作品を多々、提供されておられました。その偉業をしのんで、10月24日、同カルテットの結成30年記念コンサートの一つとして、ルーテル市ヶ…
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 今年2月6日に満88歳で亡くなられた世界的な指揮者、小澤征爾マエストロは、若かりし日に、NHK交響楽団と不幸な行き違いをされた、いわゆる「N響事件」なる騒動を体験されています。これにつきましては、様々な角度から、多彩な報道がなされていますが、この一部始終を実体…
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 昨日8月27日は、宮澤賢治の128歳のお誕生日でした。賢治は、明治29年1896年8月27日、朝の7時頃、母親イチの実家、岩手県稗貫郡里川口町492番地の、宮澤善治方(お母さまの実家も宮澤姓)で生まれました。戸籍簿には、8月1日出生と記載されていますが、前後の宮澤家の事情と…
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 本日は、プログラム解説を書かせていただいた、浜離宮ランチタイム・コンサート・シリーズの「中野翔太・ピアノ・リサイタル」に伺いました。中野さんは15歳からニューヨークのジュリアード音楽院に学んだピアニストで、クラシックにも豊富なレパートリーを持つ一方、ジャ…
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 昨日、新譜リリースをご紹介した豊増昇先生につきまして、多少、思い出したことがございました。それは、もうずいぶん前に、田村宏先生に毎月一度おめにかかり、お話をうかがって回顧録の聞き書きをさせていただいていた時期に承りましたお話です。 東京音楽学校が、現在…
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  小澤征爾のピアノの恩師として知られる豊増昇先生は、1912年佐賀県生まれのピアニストです。 東京音楽学校 で 高折宮次 、 レオ・シロタ らに師事したのち、1936年ベルリンに留学して、リストの高弟ラモンドに就きました。帰国後、1943年に東京音楽学校教授に就任します…
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 昨日の本ブログに書きました、イリーナ・メジューエワさんのショパン:ポロネーズ集。今日、拝聴しました。収録されていたのは、第1番から第6番までの6曲と、「幻想ポロネーズ」、それに、「アンダンテ・スピアナートと華麗なるグランド・ポロネーズ」でした。 ショパンの…
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 本日、イリーナ・メジューエワさんから最新アルバムが届きました。前作のショパン『エチュード全曲』に続く『ポロネーズ全曲』です。あまり間がないのでびっくりするとともに、イリーナさんのショパンに寄せる熱い思いがひしひしと伝わってまいりました。 録音は2023年の3…
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 昨日の記事で、梯剛之さんとヴォルフガング・ダヴィットさんの最新アルバムを紹介させていただき、収載曲の前半2曲に触れましたので。今日は、後半2曲につきまして、ひとこと。後半の1曲目は、シューベルトのヴァイオリンとピアノのためのソナチネ第3番ト短調です。 2曲目…
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 19日の記事に、梯剛之さん、戸田弥生さん、藤村俊介さんのトリオのことを書きましたところ、ちょうど、タイミングよく、梯さんの最新CDが届きました。こちらはトリオではなくデュオで、お相手は近年、息の合ったところをみせている。ウィーン生まれ、ウィーン育ちのヴァイ…
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  8月20日の夕刻、トッパンホールで、若きピアニストとチェリストのフレッシュなジョイント・リサイタルが開かれました。第90回日本音楽コンクール・ピアノ部門第一位の谷 昂登(あきと)さんと、第89回日本音楽コンクール・チェロ部門第1位の水野優也さんです。  当初、…
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 昨8月18日の夕べ、西国分寺南口駅前の いずみホールで、梯剛之さんのピアノ、戸田弥生さんのヴァイオリン、藤村俊介さんのチェロにより、チャイコフスキー『偉大な芸術家の思い出』の演奏会が開かれました。主催は、いずみホールから徒歩数分のところにある、古民家コンサ…
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 昨日の記事に、濱田芳通さんとその御一門の「リナルド』のことを書きましたが、濱田さんはこの長いオペラをすべてステージに立ちっぱなしで指揮されただけではなく、リコーダーの妙技も披露されました。 あら、愛らしい鳥の鳴き声が・・・・、どこにいるのかしら、オーケ…
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 古楽一筋、リコーダー演奏と指揮に邁進され、古楽アンサンブル団体「アントネッロ」を主宰、野心的な公演を継続されていらっしゃる濱田芳通さんが、このほど、第53回サントリー音楽賞を受賞され、その記念公演として、本日8月17日、サントリーホールでヘンデルのオペラ『リ…
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 昨日の終戦記念日は、東京フィルハーモニー交響楽団、8月15日恒例のハートフル・コンサートを聴いてまいりました。今年で34回となる、平和への祈りを込めたコンサートです。司会は、ユニセフ親善大使の黒柳徹子さん。第一回からのご出演です。 わたくしはここ10年くらいを…
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 一昨日の本ブログに、ジョヴァンニ・バティスタ・ヴィオッティのヴァイオリン協奏曲第22番についてふれましたところ、「フィードル・マニア」さまからコメントをいただき、この曲の究極の名盤をご紹介いただきました。Peter Rybar・Clemens Dahinden・Winterthur Symphony …
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 先日8月8日には、日比谷図書文化会館の『日比谷オペラ塾』で「プッチーニと日本との絆」の演題でお話をいたしましたが、今度は江東区亀戸文化センターの主催により、下記の日程で11月~来年3月までの連続講座を開かせていただきます。 今年が没後100年のジャコモ・プッチ…
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 昨日、東京交響楽団から「2026年4月から、現音楽監督のジョナサン・ノットさんの後任として、ロレンツィオ・ヴィオッティさんが音楽監督に就任、任期は2年間」というニュースが届きました。オーケストラと非常に相性が良く、任期延長されたノットさんの任期が2026年春に切…
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 先日、清水和音さんのコンサートで久々に若林顕さんとお会いいたしました。その後、9月6日、金曜日の19:00より東京芸術劇場でバッハの平均律第1巻全曲のリサイタルをなさるとのご案内をいただき、聴かせていただくことになりました。 若林さんと申しますと、ベートーヴェ…
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