萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2024年07月

 7月29日、30日と、霧島ではメイン会場のみやまコンセール内で、熱いリハーサルと真摯な公開マスター・クラス、及び、一般マスター・クラスが続きました。こちらは、その様子を温かく見守られる音楽祭の創設者で初代音楽監督の、故ゲルハルト・ポッセ先生です。 30日の公開…
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昨日7月29日は、霧島国際音楽祭のメイン会場「みやまコンセール」内に長時間おりまして、大小のホール、リハーサル室で同時進行的に開催されている、いくつかのリハーサルや、公開マスタークラスなどを夜まで取材しておりました。 なかでも、7月31日に鹿児島市内の宝山ホー…
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 7月28日の、ヨハン・セバスティアン・バッハのご命日を、今年は霧島で迎えました。ここ一か月ほど、バルトークの晩年と向き合ってきて、さまざまな悲運なこと、無念なことを知り、改めて彼が64年しか生きられなかったことを人類の損失と思っておりますが、バッハもややそれ…
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 霧島国際音楽祭取材2日目の本日は、いずれも、霧島山中のホール「みやまコンセール」を会場とする、3つのコンサートを拝聴いたしました。「牛田智大・松田華音 ダブル・リサイタル」、小ホールで開かれたマスタークラス受講生による「音楽の散歩~ミニコンサート」、ロシ…
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 本日は、11:30開演の浜離宮ランチタイム・コンサート「荒井里桜ヴァイオリン・リサイタル」を聴かせていただいてから羽田空港へ向かい、鹿児島空港へ飛んで、空港からリムジンバス1時間弱、中央鹿児島中央駅下車、そこからタクシーで、ザビエル教会へまいりまして、「鈴木…
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ウィーン時代後半のモーツァルトは経済的窮乏に悩まされ、よく知られているように、友人知人への借金申し込みも再三にわたっていました。その困窮のさなか1788年の夏、彼は一気に3曲の傑作交響曲を作曲します。第39番変ホ長調の完成日は6月26日です。そして、8月10日には…
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 先日来、ずっと読み続けております、ペーテル・バルトーク著・村上泰裕さま訳『父・バルトーク』には、いくつもの、衝撃的な記述がございました。ただ、著者のペーテル・バルトーク氏が、筆を押さえて、極力、悪者をつくらないようにお書きになられておりますので、それに…
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 タス通信によりますと、今月19日、ピアニストのエフゲニー・キーシンさんが、ロシア法務省から「外国の代理人」に指定されました。「外国の代理人」とはアメリカやヨーロッパの西側諸国への内通者=スバイと同義語で、これに指定されますと、資金源や活動内容の報告が求めら…
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 昨日7月21日、東京文化会館小ホールで、桐五重奏団50周年記念演奏会を聴かせていただきました。50年と言えば半世紀、よくぞお続けになられたものです。この五重奏団は、久保陽子(第一ヴァイオリン)、永田邦子(第二ヴァイオリン)、店村眞積(ヴィオラ)、藤原真理(チェ…
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 7月20日、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の第77回ティアラこうとう定期演奏会(高関健指揮)で、ニールセンの『アラジン組曲』と、オルフの世俗カンタータ『カルミナ・ブラーナ』を拝聴いたしました。なかなか珍しいカップリングとなりましたのは、『カルミナ・ブラ…
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 昨日の続きです。次男ペーテルの著書『父・バルトーク』(村上泰裕さま訳)をもう少し引用いたします。「父は侮辱や非難、欠乏や病気にも屈せず、美しい曲を次々と生み出した。書類手続きの理不尽さや不条理に不満を漏らしながらも、自分の経済力に合った暮らしに順応した。…
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 少し前の本ブログで、何日間か、Bartókをとりあげ、不遇なアメリカ時代について少しだけ書かせていただき、次男ペーテル著『父・バルトーク』をこれから読みます、とまで、綴らせていただきました。読み進む中で、疑問の解決できたこともございますし、まだ解決できないい…
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 昨日7月17日は、小平楽友サークルの前期最終日でした。『指輪』全曲シリーズも佳境に入り、昨日は「ジークフリート」の第2幕、龍(大蛇)退治の場面を鑑賞いたしました。北欧神話のシグルズでしたら龍退治で、ワーグナーの「ジークフリー」の場合は大蛇ですが、メトロポリタン…
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 2010年の第16回ショパン国際ピアノ・コンクールで好成績を収められたニコライ・ホジャイノフさんと14年ぶりに再会いたしました。コンクールのとき、18歳だったホジャイノフさん、早くも独自の個性と輝きを発揮しておいででした。今夜(7月17日の晩)、浜離宮朝日ホールでリサ…
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 本夕(7月16日)は、トッパンホールで、フルートの世界的ソリスト、マチュー・デュフォーさんのリサイタルを拝聴いたしました。3日前、13日の読響マチネでも、この方と景山梨乃さんによる、モーツァルトの『フルートとハープのための協奏曲』をお聴きし、協奏曲ソリストとし…
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 日本を代表するピアニストのお一人、清水和音さんと、世界最難関と言われるハノーファー国際音楽コンクールに2009年史上最年少の16歳で優勝以来、その重圧に屈することなく、目覚しい活躍を続けているヴァイオリニスト、三浦文彰さんが組んで、ベートーヴェンのヴァイオリ…
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 1995年オーストリア生まれの女性指揮者、カタリーナ・ヴィンツォーさんが読響デビューを果たされました。ウィーンとチューリヒで学び、ダラス交響楽団でファビオ・ルイージの副指揮者、その後はブダペスト祝祭管弦楽団でイヴァン・フィッシャーのアシスタントを務めたとい…
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 昨7月12日の晩、東京オペラシティコンサートホールで開催されたアレクサンダー・ガジェヴ ピアノ・リサイタルを聴いてまいりました。ガジェブは、2021年のショパン国際ピアノ・コンクールで、反田恭平さんと同列2位に入賞したピアニストです。 1994年12月23日、スロベニ…
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 まだ30代の首席指揮者兼芸術監督、ペトル・ポペルカさんに率いられたプラハ放送交響楽団が来日しています。昨7月11日の、サントリーホールで、スメタナ&ドヴォルザーク・プログラムを拝聴し、おおらかでエネルギーに溢れた、堂々の音楽表現に圧倒されました。 1曲目はスメ…
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 昨7月10日は、午前中からお昼過ぎまで、遠方からわざわざいたしてくださった、ある演奏家の関係者の方にインタビュー取材をさせていただいたあと、新国立劇場で同劇場が誇る名プロダクション『トスカ』を拝見し、夕刻19:00から、東京藝術劇場で「小林愛実ピアノ・リサイタ…
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