萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2024年05月

 昨晩(5月30日・18:30開演、終演22:20くらい)の、新国立劇場、ダミアーノ・ミキェレット演出のモーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』を拝見しました。同プロダクションは、2011年初演、2013年に再演されて、今回は9年ぶり3回目の上演です。わたくしは9年前に見逃したため…
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 2015年、ウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクールに優勝、並びに最優秀ベートーヴェン賞、ハイドン賞を受賞した、ヴァン・カイック弦楽四重奏団が来日しました。このコンクールは、会場をいくつか移していますが、過去に、タカーチ弦楽四重奏団やハーゲン・クァルテット…
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 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調は、第1楽章が終わると、オーケストラのファゴットが「シ」の音を長く引き伸ばしていって、そのまま、第2楽章に入ります。先頃、この第1楽章の幕切れ部分で、前代未聞の大事故が発生した瞬間をとらえた動画を偶々発見いたしまし…
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 先日の本ブログで、ベルリンを拠点に活躍する指揮者、山田和樹さんが、来シーズンのベルリン・フphilharmonic定期演奏会の指揮台に立つことが決まったニュースを報じさせていただきましたが、げんざい、その山田さんは、芸術監督&音楽監督の任にある、モンテカルロフィルハ…
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 本日は、日本海海戦から119年目に当たります。日露戦争後半におこなわれた日本海海戦は、開戦2年目の1905年5月27日から翌日の28日にかけて対馬沖で日露の海軍が激しい激突をして、奇蹟の東郷ターンの成功も奏功して日本側が大勝利を収めた、歴史的な海戦でした。その詳しい…
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 本日5月26日、久しぶりに川畠成道さんのコンサートを拝聴いたしました。川畠さんが毎年この時期に開かれている「グランドファミリーコンサート」というシリーズで、2002年スタート、今回で23回目になられるそうです。 ピアノは、桐朋時代からのご友人、佐藤勝重さん。佐藤…
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 昨日のブログに書きましたように、昨5月24日の晩はサントリーホールブルーローズで開かれた,宮﨑貴子さんの「ようこそ、女性作曲家の世界へ」演奏会に出掛け、マリア・シマノフスカ、ヨハン・ネポムク・フンメル、フランツ・クサーヴァー・モーツァルト(ヴォルフガング・…
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 わたくしはかねてより、女性作曲家に多大な関心を抱いてまいりました。1789年ポーランドのワルシャワに生まれ、ヨーロッパ各地でピアニストとして活動し、1829年からサンクトペテルブルクに定住してロシア皇妃から宮廷ピアニストに任命される栄誉にも浴しながら、3年後の18…
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 昨5月22日の晩、トッパンホールで、文学と音楽の出会いの極致を聴かせていただきました。1956年ドイツ生まれの名テノール、クリストフ・プレガルディエンと長年の名パートナー、ミヒャエル・ゲースによるシューベルト・アーベントです。 600曲ともいわれるSchubertの歌曲…
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 リヒャルト・ワーグナーは、1813年の本日、ライプツィヒに生まれ、1883年の2月13日に静養先のヴェネツィアに没しました。従って、本日は211歳のお誕生日でした。その本日に、小平楽友サークル講座で『ヴァルキューレ』第1幕を中心に皆で真摯に鑑賞することが出来ました。こ…
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 現代オーストリア文学をご専門とされるドイツ文学者の早坂七緒先生はピアノ愛好家でもいらっしゃり、かねてから、細幅鍵盤ピアノの普及を提唱しておいでです。そして、このほど、シュトゥットガルト音楽演劇大学ピアノ科に細幅鍵盤ピアノが導入されたとのニュースを、南西…
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 本日午後、宮崎取材から帰京いたしました。今週水曜日、2024年5月22日は、小平楽友サークル講座、現在のシリーズ『みんなでめぐるワーグナーの指環物語」第6回は、『ニーベルングの指環」第2作『ヴァルキューレ』第一幕、第二幕です。この壮大な4部作楽劇『ニーベルングの…
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 第29回宮崎国際音楽祭が、本日の「マイスキー×宮崎国際音楽祭管弦楽団「新世界の協奏曲、そして至高の交響曲」公演をもって終わりました。最終日は、ここ数年ずっと、演奏会形式オペラでしたが、今回は、本拠地・宮崎県立芸術劇場が改修中で、宮崎市民文化センターに会場…
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 今、宮崎市内のホテルから本blogを更新しております。今朝は5時起きしまして、8:05の宮崎便に搭乗して当地へまいりました。目的は、延岡総合文化センターで15:00開演の、宮崎国際音楽祭『宮崎ポップス・オーケストラ公演』の取材です。 15:00開演ならば、もう少し後の便で…
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 昨日5月16日、19:00開演の新国立劇場『椿姫』初日を拝見いたしました。3幕オペラですが、この頃はたいてい、第2幕の1場と2場との間に大きな休憩1回、というタイムスケジュールで進みます。それでも終演はほぼ22:00になりました。ヴァンサン・ブサール演出のこの『椿姫』は2…
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 政情不穏に悩む、南米ベネズエラに開発された驚異的な音楽教育システムの申し子が、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者ドミンゴ・インドヤンさんです。インドヤンさんは現在、この英国の名門オーケストラの首席指揮者を務めていて、このほど、同オ…
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 1840年創設の、イギリスでもっとも古い歴史を持つ、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団が、2015年の初来日に続く2度目の来日を果たしました。 近年、このオーケストラを鍛え上げたのは、2004年から首席指揮者を務めたヴァシリー・ペトレンコさんでしたが、…
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 早熟の天才、フェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)は14歳の1823年に最初の弦楽四重奏曲を書きました。その曲は作品番号も通し番号も付されていませんが、優れた作品です。通し番号を持つ6曲のうち、第3~5番は1837~38年に作曲され38年に作品44として一括出版され…
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 本日5月13日夕刻、サントリーホール・ブルーローズにおいて、第55回サントリー音楽賞、第23回佐治敬三賞 授賞式とレセプションがございました。1969年制定のサントリー音楽賞は、毎年、わが国の洋楽の発展に最も顕著な功績のあった個人、または、団体に贈られる賞で、今回…
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 本日午後、サントリーホールで開催された東京交響楽団第720回定期演奏会は、音楽監督ジョナサン・ノットの指揮による、前半に、武満徹『鳥は星形の庭に降りる』、ベルク:演奏会用アリア『ぶどう酒』、後半にマーラー『大地の歌』というプログラムでした。ベルクの珍しいア…
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