萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2024年01月

 昨晩(1月30日)夜、東京文化会館小ホールで完戸吉由希さんのデビュー10周年を記念するサクソフォン リサイタルvol.6を拝聴してまいりました。「ししど」さんの字は「宍戸」と思いましたら、この方は「完戸」をお使いです。サクソフォンのオリジナル曲としては、ドビュッシ…
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 昨日のブログに、藤原歌劇団の29年ぶりの新制作『ファウスト』を鑑賞したことを書きました。粒ぞろいのキャスト、時代感をよく表出した装置と衣装、芸術の香気ゆたかな照明と映像、程よいダンサーの配置、人間の心の明と暗に焦点を当てた演出、なにからなにまで申し分なく…
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 日本を代表する2大オペラ上演団体の一方の雄、藤原歌劇団が1995年以来29年ぶりに、シャルル・グノーのグランド・オペラ『ファウスト』を原語(フランス語)上演しました。東京文化会館第ホールを会場として、1月27日と28日の2公演がダブル・キャストでおこなわれ、わたくし…
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 ユーゴースラヴィアのピアニスト、というよりも、1980年のショパン国際ピアノコンクールで予選から注目を集めながら本選進出を認められず、その結果に抗議した審査員のマルタ・アルゲリッチが「彼は天才よ!」の一言を残して辞任したというエピソードで名高い、イーヴォ・ポ…
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 昨晩、紀尾井ホール室内管弦楽団のニユーイヤー特別演奏会でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番『トルコ風』を聴きました。独奏者はこのオーケストラの名誉指揮者で、ウィーン・フィルのコンサートマスター、ライナー・ホーネックさん。つまり、弾き振りでした。引き締…
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 1月の東京フィル定期演奏会は、特別客演指揮者、ミハイル・プレトニョフ指揮の北欧プログラム3公演でした。昨1月25日の晩、東京オペラシティコンサートホールで、その3公演目を拝聴してまいりました。   幕開けは、シベリウス『カレリア組曲』。 3曲構成の組曲のうち最…
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 一昨日のブログに、モルゴーア・クアルテットの過去演奏再演希望曲総選挙で、圧倒的な第一位に輝いたヒンデミットの高等? 高踏? パロディ作品のことを一言だけ書きました。原題は「 Ouvertüre zum "Fliegenden Holländer", wie sie eine schlechte Kurkapelle morgens u…
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 世界最高峰のテノールの一人、イアン・ボストリッジ、歌曲伴奏ピアノのスペシャリスト、ジュリアス・ドレイク、それにいぶし銀の音色を持つホルニスト、アレッシオ・アレグリーニが、昨晩、トッパンホールで夢の顔合わせを実現させました。テノール独唱、ピアノ、それにホ…
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 昨日の続きです。モルゴーア・クアルテットが30周年記念公演の一環として、過去演奏曲の再聴希望曲総選挙の結果を反映させたプログラムが、昨晩のコンサートで演奏されました。それが標題3曲です。実際、この3曲は、第15番が第3位、「大フーガ」が第5位、に入っていて、ここ…
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 演奏活動30周年を迎えたモルゴーア・クアルテットが、2023年1月と6月の演奏会のおりに、「これまでにわたしたちの演奏会で聴いた曲の中で、ショスタコーヴィチとロックを除き、もう一度聴きたいと思う曲を上げてください」という聴衆アンケートを実施し、その集計結果にも…
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 本日、(1月21日)、サントリーホールで開催された第403回名曲コンサートは、首席指揮者、カーチュン・ウォンさんの指揮で、伊福部昭:舞踊曲『サロメ』より「7つのヴェールの踊り」、ラフマニノフ『パガニーニの主題による狂詩曲』、ベルリオーズ『幻想交響曲』が演奏されま…
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 昭和59(1984)年に埼玉県朝霞市在住・在勤の声楽家7名が声を掛け合い「朝霞オペラ振興会」として発足したオペラ上演団体は、その後「オペラ彩」と名称を改め、年1回のオペラ公演を、コロナ禍期間中は規模を縮小し形態を工夫して、休まず継続してこられました。 今年40周…
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 世界屈指の作曲家、ジョン・アダムスが都響の招きで来日し、1月18日と19日の定期演奏会の指揮台に立って、自作3曲を振りました。アダムスが日本のオーケストラを指揮するのはこれが初めてのことです。 日本初演となる「アイ・スティル・ダンス」、エスメ弦楽四重奏団と協…
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 1月17の日の晩、亀井聖矢さんのリサイタルがサントリーホールで開かれました。亀井さんは2001年12月生まれ。ようやく22歳になったばかりの新進ピアニストです。2019年、日本音楽コンクール第1位となられ、2022年、ロン=ティボー国際音楽コンクールのピアノ部門に優勝され、…
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 朝日新聞東京本社に別棟にある、浜離宮朝日ホールのランチタイム・コンサート・シリーズが20周年を迎え、その記念コンサートとして、初回ご出演の江口玲さんのピアノ・リサイタルが、本日111月17日の11:30より開かれました。ピアノは、タカギ・クラヴィア所有の1887年製ニ…
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 本日、インタビューの仕事で井の頭公園駅至近のスタジオへお邪魔することになり、駅に着きました時に少し時間が早かったので、せっかくここまで来たのだからと、駅隣接の井の頭公園に足を踏み入れました。武蔵野の面影をそのまま残す、冬枯れの公園の落ち葉を踏んでいくと…
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 1月13日の土曜日午後、東京藝術劇場で開かれた、東京都交響楽団第991回定期演奏会Cシリーズでは、幕開けに、このたびの能登半島震災で犠牲になられた方たちを追悼する曲を演奏します、とのアナウンスがあり、下野竜也マエストロがJ.S.バッハの『アリア』を振られました。 …
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「国際音楽祭NIPPON」はヴァイオリニストの諏訪内晶子さんが10年前に創始し、音楽仲間やお弟子さん方の出演を得て、芸術監督&ソリストとして牽引されてこられた、マスタークラス&コンサート・シリーズです。 コロナ禍の期間中は、縮小を余儀なくされましたが、今年は国内外…
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 東京文化会館舞台芸術創造事業 現代音楽「かぐや」が本日上演されました。本公演を拝聴できませんでしたので、昨日12日16:00~のゲネプロを鑑賞させていただいてまいりました。コンサートは2部構成で、第1部は室内楽コンサートです。第1部では、2023年6月に70歳で永眠され…
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 ブラハ交響楽団が来日中で、1月5日の札幌公演から、14日の東京公演まで全国8公演を開催しています。プログラムは3種あり、首席指揮者のトマーシュ・プラウネルが、後半の『新世界』交響曲をメインとして、前半に同『伝説』より第3曲とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演…
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