2023年12月31日 大晦日ごとに思い出す樋口一葉『大つごもり』、大晦日恒例のベートーヴェン カテゴリ: たくさんの家作を所有して、そのあがりで裕福に暮らす山村家には、お峰という17歳の娘が女中として働いていました。早くに孤児となったお峰は、八百屋を営む叔父にひきとられて大きくしてもらったのですが、今、その叔父が病に倒れ、叔父一家は赤貧にまみれていました。「… >>続きを読む
2023年12月30日 12月30日は、ブラームスの第2交響曲とブルックナーの第7交響曲の初演日 カテゴリ: 1年も、あと1日を残すのみの12月30日。それでもコンサートが盛んなのは現代の日本だけではないようで、何とこの日は、1877年にブラームスの第2交響曲がハンス・リヒター指揮のウィーン・フィルによって初演され、第3楽章がアンコールされるほどの成功を収めた日でもあり、… >>続きを読む
2023年12月29日 第18回仙台国際音楽コンクールの覇者二人、新録音CDがリリースされました。 カテゴリ: 2022年6月、第18回仙台国際音楽コンクールの取材に伺い、若い才能たちの目覚しい活躍ぶりにわくわく致しました。このほど、そのピアノ部門の第一位、ルゥォ・ジャチンさんと、ヴアイオリン部門の第一位、中野りなさんが、優勝後にセッション録音した、それぞれのニュー・ア… >>続きを読む
2023年12月28日 中日新聞に『幸田延』が採り上げられました。 カテゴリ: 少し前に、中日新聞の宮崎記者が来宅され、拙近刊『幸田延』について取材されました。そしてこのほど、12月22日付の同紙にその記事が掲載されました。今年は、ほかにも女性音楽家に関する評伝や研究書がいくつか出され、これまで陽の当たりにくかった彼女たちの業績をあら… >>続きを読む
2023年12月27日 メジューエワさんのアンコール2曲目、前奏曲変イ長調『遺作』 カテゴリ: 12月24日のメジューエワさんの『ショパンの肖像」Vol.2で、2曲のアンコール曲が演奏されたことは昨日のブログにご紹介いたしました。1曲目は、ノクターン第9番op.32-1です。これは割合とよく知られた曲ですが、2曲目がやや珍しい曲でしたので、今日はこの曲をご紹介したい… >>続きを読む
2023年12月26日 イリーナ・メジューエワさん、日本デビュー25周年記念リサイタルがライヴCDとして発売されました。 カテゴリ: 昨年の12月12日夜、トッパンホールで、イリーナ・メジューエワさんの日本デビュー25周年記念リサイタルが開催されました。わたくしは、どうしてもその時間に都合がつかなかったため、午後のリハーサルを贅沢にも一人で聴かせていただきましたが、イリーナさんの鮮烈なピア… >>続きを読む
2023年12月25日 横山幸雄さんにインタビュー、ショパンとベートーヴェンについて伺いました。 カテゴリ: クリスマスの本日、日本を代表するピアニストのお一人、横山幸雄さんのスタジオにお邪魔して、ピアノ音楽の2つの大きな柱と言ってよい作曲家、ショパン、そしてベートーヴェンに関して、いろいろと興味深いお話を伺ってまいりました。一歩、スタジオに足を踏み入れると、ち… >>続きを読む
2023年12月24日 個々の作品、各楽章の性格を鮮烈に弾き分けた、和波孝禧先生『無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ』全6曲演奏会 カテゴリ: 演奏会は16:05くらいに始まりました。1曲目、ト短調のソナタの冒頭アコードは、4弦をはっきりと分けた鳴らし方でした。特にG線とD線は長めに響かせておられました。しかし、気負いはなく、あるがままの自然体です。弓圧は軽めに感じましたが、必要かつ適正な圧によって、楽… >>続きを読む
2023年12月23日 和波孝禧先生、クリスマス・バッハ・シリーズ 第30回記念演奏会『無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ』全6曲 カテゴリ: 一昨日12月21日には若手の青木尚佳さんのイザイ『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ』全6曲リサイタルがありましたが、本日12月23日は16:00より東京文化会館小ホールで、1945年生まれの大ベテラン、和波孝禧先生によるバッハ『無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ』全6曲演… >>続きを読む
2023年12月22日 青木尚佳さん、ミュンヘン・フィル・コンサートマスター就任記念 紀尾井ホール・レジデント・シリーズ イザイ 無伴奏ソナタ全6曲リサイタル カテゴリ: 昨12月21日の晩、紀尾井ホールでレジデントシリーズの一環として開催された、青木尚佳さんのりヴァイオリン・リサイタル、イザイの無伴奏ソナタ全6曲を拝聴してまいりました。J.S.バッハの同種曲群に啓発されて、ベルギー出身の大ヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイ(18… >>続きを読む
2023年12月21日 読売日本交響楽団の第九 カテゴリ: 昨日は、昼間、小平の講座で、スクロヴァチェフスキ指揮・読売日本交響楽団2009年のブルックナー9番を鑑賞いたしました後、夕刻、サントリーホールへ出掛けまして、ブルックナーから14年後の同団の今年の第九を聴かせていただいてまいりました。 指揮者は、1962年Holland… >>続きを読む
2023年12月20日 今年最後の小平楽友サークル講座でスクロヴァチェフスキ指揮読響のブックナー最後の交響曲第9番を聴きました。 カテゴリ: 本日は12月の第3水曜日でしたので、小平楽友サークルの今年最後の開催日でした。後期の10回シリーズはあとまだ1月の2回がございますが、2023年としては今日が最終回ということで、感慨深くお話させていただきました。現在のシリーズ・テーマは「20世紀の名演奏家たち」vol.… >>続きを読む
2023年12月19日 ほのカルテット サントリーホール・ブルーローズ演奏会 カテゴリ: 今夜、サントリーホール・ブルーローズ(小ホール)へ、ほのカルテット・リサイタルを聴きにまいりました。大阪国際室内楽コンクール2023第一部門(弦楽四重奏)で最高位の第二位を受賞した、有望新進カルテットです。発表プログラムは下記でした。 ハイドン:弦楽四重奏曲… >>続きを読む
2023年12月18日 福間洸太朗 ピアノ・リサイタル スクリャービン vs. ラフマニノフ ~真髄を求めて~ カテゴリ: 12月17日、日曜日の午後、東京文化会館小ホールで、「福間洸太朗 ピアノ・リサイタル スクリャービン vs. ラフマニノフ ~真髄を求めて~」が開催されました。福間さんは都立高校ご卒業後、単身ヨーロッパへ渡られてパリ国立高等音楽院、ベルリン芸術大学他で研鑽を積まれ… >>続きを読む
2023年12月17日 桂冠指揮者、ユベール・スダーンを迎えた東京交響楽団 カテゴリ: 東京交響楽団の12月16日サントリーホール公演と、17日ミューザ川崎シンフォニーホール公演は、桂冠指揮者、マエストロ・ユベール・スターンによる、シューマン1番『春』(マーラー編)&ブラームスのピアノ四重奏曲第1番ト短調のシェーンベルク編曲管弦楽版という、垂涎のプ… >>続きを読む
2023年12月16日 祝253歳、バリリ弦楽四重奏団のラズモフスキー第1番でベートーヴェンのお誕生日を寿ぎます。 カテゴリ: 12月16日は、ベートーヴェンのお誕生日と推定される記念の日です。翌17日に、洗礼記録が出されていることが根拠で、通常は誕生の翌日に洗礼を受ける習慣がらあるところから、受洗記録の前日の12月16日がお誕生日とされます。 今年は、11月15日に絵画のグループ展を拝見し… >>続きを読む
2023年12月15日 ゲルハルト・オピッツ ピアノ・リサイタル シユーベルト&リスト カテゴリ: 12月15日、本夕、東京オペラシティコンサートホールで、ゲルハルト・オピッツさんのピアノ・リサイタルを聴いてまいりました。これまでに、ベートーヴエンのソナタ・ツィクルスを始め、シューベルト、ブラームスと、ドイツのピアノ音楽の本流というべき道筋をずっと聴かせ… >>続きを読む
2023年12月14日 昨晩、3日繰り上げで、ベートーヴェンのお誕生会を開催いたしました。 カテゴリ: ここ10年近く、毎年12月16日前後に、ベートーヴェンのお誕生会を開いております。今年は、少し早めの12月13日にベートーヴェン・ファンが集まって、253歳のお祝いをいたしました。ベートーヴェン・ワインで乾杯、アルゲリッチがフランス・ブリュッヘンと協演したピアノ協奏… >>続きを読む
2023年12月13日 チャイコフスキー国際コンクールの覇者二人、チェロのズラトミール・ファンとピアノのアレクセイ・カントロフ、日本で初協演 カテゴリ: 昨晩、トッパンホールで、チェロのズラトミール・ファンとピアノのアレクセイ・カントロフのデュオ・リサイタルが開かれました。二人は2019年のチャイコフスキー国際コンクールの第一位同士。コロナ禍に阻まれて、延期されていた日本での初協演がついに実現したものです。… >>続きを読む
2023年12月12日 千代田区かがやき大学講座 女性音楽家シリーズでアルゲリッチを採り上げました。 カテゴリ: 2012年から講師を務めさせていただいている、千代田区かがやき大学のクラシック音楽講座の今年度後期シリーズでは「女性音楽家の作品と演奏」のタイトルで、女性作曲家、及び女性演奏家のお話をして、作品、あるいは演奏を聴いております。本日は、1941年生まれ、現役女性… >>続きを読む